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目覚めたら乳児

とりあえず子供時代開始です


「……。」


あれだけ、意味不明なことが起きたというのに、それを説明する人たち=神様という思考がすっぽ抜けていた私だったが、


「うふふ、おー、よしよし、サラはいい子ねー。」



この可能性も考えていなかった。






神様と思われる人達との会話後、世界がまたもや途切れたかと思うと、遠くから聞こえる先ほどとはまた別の男女の声。

最初は遠かったその声だが、徐々に近づき、次第にはっきりと聞こえてくる。


凄く嬉しそうな声と、疲れた様子だけどすごく優しく、私をいたわるような声。

そして、その声の主二人を祝福するような複数の声。




そう、私は、再びどこかの世界でどこかの夫婦の子供として生を受けたのだ。




「うふふ、ほっぺぷにぷにね。お手手も小さくてかーわいい!ほんといい子でちゅねー。」

「ほーら、このぬいぐるみ、可愛いだろ?お友達でちゅよー。」

(あ、赤ちゃん●レイ…。)



冗談言ってる場合じゃないですね。



でもね、これ、記憶があると地味にキツイ。マジでそういうプレイの趣味でもない限り拷問である。

なんか、知らない方がいいことってあるよね、という言葉を思い出した。



おっぱいの直飲みはまだ対策できる。

こざかしいが、イヤイヤすれば、哺乳瓶で飲ませてくれたから。新しい母親には申し訳ないけど。



問題は下の世話だー。



意識だけはっきりしてるのに、手足どころか体の様々なところ(お察しください)が思ったように動かないのと、それ以上に感覚(お察しください)が上手く掴めてないのでオムツ生活からは逃れられていない。

私にできるのは、出たら声を出すくらいだ。ごめんよ…。

それでも、父母は、泣かないし、オムツが汚れたら声をかける私に感動している。この子は天才じゃーとか歓喜してる。ほんとすいません。



あ、でも地味にありがたいことがあった。

ここは名づけがどちらかというと西洋風なんだけど、両親がつけてくれた名前…苗字はしょうがないとして、個人名が前世と一緒だった。

おかげで呼ばれても違和感が少ない。性別も一緒だしね。



水橋 沙羅。



それが19歳で死んだ私の前の名だ。

そして今、私はサラ・ゴールデンロッド(0)である。

偶然か、それとも神様たち(仮)が配慮してくれた結果か。


見た目は分からん。両親は可愛い可愛い言ってくれるけど、正直身内の評価はあてにならん。


音は大きい音なら結構しっかり聞こえるんだが、目がまだぼやけている。

むかーし、授業で習った知識だと、確か耳って胎児の時点で結構機能してるけど、目がちゃんと機能するのは生後半年くらいだとか。


そのため、結構周りの様子を把握しきれないことも多いんだけど、とりあえずそういう時は笑っておく。笑顔で誤魔化すともいうが…。


「あ、今私を見て笑ったよ!」

「うふふ、パパがわかるのねー。」


誤魔化したつもりだったんだが、この人たちがうれしそうなので、まあ、それはそれで良しとしよう。




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