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知れば知るほど増す疑問


集会場は、門から少し入った開けた場所にある。

魔術学校、騎士学校両方の生徒を集めることもあるから、超広い。


東京ドームより広いだろうか。

そういえば、広さを現す時、東京ドーム何個分っていうのはまだわかるけど、水の量とか現す時、東京ドーム何杯分とか言われても正直よくわからなくないか?



そんなどーでもいいことをぼーっと考えていると、周囲のざわめきが大きくなり、私ははっと正気に戻る。


周囲の人が一か所……門から続くアーチ状の通路を凝視しているのに気付いた私は、彼らと同じくそちらに視線を向けた。


そしてすぐに、暗いその場所から複数の人影が現れる。








「うわ、あの人が騎士団長さん?」



周りを部下であろう騎士さん達に固められながら、光の差す集会場の中心へ堂々と歩くその人の姿に、私の視線は釘付けになる。



シンプルだけど仕立てのよさそうな服を着た、どちらかと言うとスラっとした印象の男性。

茶色い髪を、ピシッと撫でつけて、隙無くセットしてある。

口元には髪と同じ茶色い口髭を生やしているけど、お手入れが完璧に見えるせいか、見苦しい感じは一切ない。

年齢は50歳くらいかな?王様と同じくらいの年齢に見える。




でも、わかるぞ!

あの人超イケメンだ!おじさんだけど!ヒゲだけど!



「うっわー、騎士団長さん、かっけー!」


あまりのダンディさに、思わず口調が崩れる。

隣のディアンが目を見開いてるけど、まあ、いいじゃないか。


「サラ、お前なぁ…。」

「いや、だって、実際かっこいいじゃん。若い時絶対モテたよね。凄く。ていうか、今でも絶対モテる。」


渋い。そしてスタイルもいい。がっちりしてるのに、すらっとしてる。外国のモデルさんみたい。歩くだけでかっこいい。

そして、服装もかっこいい。周りの人と基本同じ服だから、騎士団の服なんだろうけどこれがまた似合う。さりげなくあしらわれた小物がまたセンスがいい。スタイリストでも付いてるのだろうか。



「だよねー。超かっこいいよねー。」


と、そこで隣にいた知らない先輩が私に同意する。ですよね。


「ちなみに斜め後ろにいらっしゃるのが、参謀のアメリア様だよ。騎士団長のお嬢様だ。」


その先輩に言われて再びそちらに目を向けると、そちらには団長さんより少し淡い色の髪をアップにした美女がいた。



「うわー、きれー。」

「だろー?」



まだ若いのに参謀とか。美人で優秀か…。

天は二物を与えたのだな…。



「ん、君は魔術学校の方?」


ここでやっと、それまで気軽に話していた知らない先輩に問われ、私はこくりとうなづいた。


「ディアンの彼女?」

「まさか。幼馴染です。」


ディアンの名誉のためにもそこは否定しておこう。あらぬ誤解は避けた方が賢明だ。


「あ、そうなの?ごめんごめん。あ、俺、3年のメイギスっていうの。よろしくー。」


軽いノリの先輩だけど、悪い人じゃなさそうだ。

ていうか、年齢考えると思考がませてるな、先輩。


「サラ・ゴールデンロッドと言います。よろしくお願いします。」

「ご丁寧にどうもー。」


そんな調子で挨拶をしていると、騎士団長さんが生徒たちに向けて激励の言葉をかけてくれる。

騎士学校の生徒向けと思われるものだけではなく、魔術学校の子向けとの言葉を混ぜてくれるあたり、騎士団長さんの内面のイケメンっぷりが伺える。





「すごいねー。騎士団の上層部になると、あーゆー感じなんだ。」


騎士団の人達がいなくなってからディアンにそう言えば、ディアンはうーん、と考えるしぐさをする。


「第二騎士団はな。第三騎士団はまだ見たことないけど、第一騎士団はなんか、もっと、こう…。」


表現が難しいのか、なかなか言葉が出てこない様子のディアンの代わりにメイギス先輩がニコニコ笑いながら解説してくれる。


「第一騎士団は一言でいうと、ハデだよねー。」

「そうですね。」

「ハデ???」


騎士団が派手…。式典とかイベントとかで着飾ってハデハデ!なのとはまた違うのだろうか。


「騎士団長様の個性に引きずられるのかな?第二騎士団はあの通り団長様が渋いからなんか落ち着いた雰囲気だけど、対照的に第一騎士団長様は若くていかにもモテそうな感じだから、なんか団全体がそういう風に見えちゃうんだよ。」


へえ、団長さんによって、そこまで雰囲気が違うのか。

ふむ、第一騎士団はチャラい、と。頭に刻んでおこう。


しかし、騎士団は三つあるんだっけ?第三騎士団の情報は少ないのか?

そう尋ねれば、メイギス先輩も微妙な表情でうなづく。


「そうだねー。俺もまだ見たことないなー。第三騎士団は国境近くとか、そういう危険な任務が多いらしいから。」

「あ、そういう…。」


だからこっちにはほとんどいないということらしい。

国境付近はいまだに小競り合いが起きるという。

特に北の方……リレグラ王国との国境付近は、結構ヤバイ、と比較的そっち側に近い方から来ているグレッチェンちゃんが言っていた。


「今の第三騎士団の団長様は、まだ20歳になったばかりって聞いたことがあるよ。天才は天才なんだろうけど、第三騎士団は一番死亡率高いから。」


し、死亡率!?

先輩、相変わらずニコニコしながら恐ろしいことあっさり言うし!

曰く、先代の副団長さんも、二年ほど前に亡くなっているとのこと。



「反乱って話だけど、どうやらリレグラの仕業らしいよ。」


こういう話を聞くと、なんか、前世の私って本当に平和の中に暮らしてたんだなぁ、って思う。


「なんか、貴族で、若くして騎士になって、今は騎士団長さんでも、苦労してるもんなんですねぇ。」

「そうそう。よく知ってるねー。」

「さっきディアンが教えてくれました。」

「おお、ディアンやるぅー!」


先輩に茶化され、ディアンは何とも言えない表情になる。私やシャルロッテ相手とは勝手が違うから、色々やり辛そうだ。


「とはいえ、俺もそれ以上はよくわからないなー。貴族で、若くて、優秀で、美人で、しかも先代の王妃様の姪に当たる方なのに、何故か一番危険な第三騎士団に入ったあたり色々謎だし。」

「前の王妃様の姪…。」



なんか、この国も色々あるみたいだな。




たぶん騎士団長さん達はそのうち出てきます。

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