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中にいるとわからないこと



「でもねー、炎の魔法だったからまだよかったんだよぉー?」


今だガクブルの私だったが、耳元の気の抜けた声で我に返る。

あ、はい、精霊さん達ですね。


(ま、まだよいとは?)


少し落ち着いた私は、周囲をフワフワ浮かぶ精霊さん達に聞き返す。

あれだけの距離を魔法で焼きはらわれたのだ、まだよかったも何もない気がするが…。


「でっかい魔法が落ちた跡って、魔力が残るんだよー。」

「闇魔法だったら、たぶんサラたちの町、あそこに無いよー。」


……まーた、恐ろしいことをあっさりと言うし!!

でも、それってどうゆうことだろう。


(闇魔法だとヤバイの?)

「そうだよー。魔物の強さがちがうもーん。」

「火の魔物より闇の魔物の方がずっと、ずーっと強いもん!」


属性で強さって変わるもんなの!?まあ、精霊も光と闇はレアだって言ってたし、そうゆうもんなのか?

まあそう考えると、なるほど……さっき先生が分断の森は初心者向けの場所だって言ってたけど、もしも闇魔法で攻撃されてたらそれこそゲーム終盤に行ける高難易度ダンジョンのようになってたってことか。


「でも、町の学校ではそんなこと…。」

「あら、だって、あそこは初心者冒険者が行く場所!そんなに強い魔物もいない!しかも魔石も採れる!!……なんて言ったら町を抜け出して森に行く子が出るでしょう?探検とか言って。特に魔法を学び始めたころは危ないんですよ。試してみたくなるので。」

「近くにダンジョンがあるというのはそういう危険があるのだ。大人になれば自己責任だが、子供のうちはそうもいかない。だから大人達も詳細は伏せて、魔物が出るから危険としか告げんのだ。」

「まあ、採れるのは火の魔石だけですし、あまりにも簡単に採れすぎるから他の魔石ほど価値はありませんけどね。それに素人が採掘すると魔石の品質が下がるから、一般人が危険を冒してまで行く場所じゃないんですよ。だいいち町の学校で教える魔法は生活魔法だけで、攻撃用じゃありませんから、生徒どころか大人でも一般人が行ったら普通に魔物に襲われて死にます。」



……そんなもんか。


まとめると、もともとラクラエン地方は水晶の多く採れる地域だったのだが、当時暴れていた魔王が水晶の鉱脈を含むその土地を炎の魔法で焼き払ったため、残った水晶が火の魔力を吸い変質してしまった。それが大量の火の魔石が採れる理由である。

だが、水晶が魔力を吸ったことにより魔物の魔力の取り分が減ったため、結果として分断の森には強い魔物がいないらしい。


それでも、場所によっては魔力を強く取り込んだ強力な変異種がいたり、魔力を取り込んで変質した植物が生えている場所もあるから、初心者向けとはいえ素人が行けばまず死ぬ、とのこと。大丈夫です。行きません。


「魔石だけじゃなくて、火種草やポカポカの実も生えてるから資源としては優秀な森ですよ。それがあるから、ラクラエンは比較的豊かな町なんです。」

「詳しい話はそれこそ今後ここで詳しく学ぶことになるだろうが、まあ、ラクラエンについてはそんなところだ…お前らは当たり前すぎて気づかなかっただろうが、ラクラエンは地方都市にもかかわらず中央の都市並みの造りをしてるんだぞ?同じくらいの規模でも他の町だと大体あるのは防壁だけで、聖水堀や結界陣なんて無いんだからな。」

「そうなんですか!!?」


みんなが一斉に驚くが、私もびっくり。

普通にどこの町にもあるもんだと思ってたよ!

言われてみれば、ここに来る途中にいくつかの町を通り過ぎたけど、町の防壁はラクラエンに比べて貧相だったな。古い町なのかなーとは思ってたけど、単純にうちの町の方が裕福だったのか。


ちなみにグイン先生の言う聖水掘とは、防壁の外にぐるーっとあるお堀のことで、中には水が溜まっている。

前世のお堀と違うのは、それが教会で祝福を受けたありがたーいお水を含んでいること。本能的に魔物はこれを避けるらしい。

結界陣は…なんだっけ?ああ、セ●ムだセ●ム。もしくはアル●ック。怪しい侵入者が入るとわかるヤツだ。

まあ、それだけ便利なものを町の外周全体に張り巡らせているのだ。確かにお金も手間もかかりそう。


「防壁が強固なのは、冒険者も多いからですか?」

「お、察しがいいなパーシヴァル。そうだ。彼らにとっても安心して休める町がダンジョンの近くにあるというのは非常に好都合なんだ。だから、そのための協力も得やすい。その辺はギブアンドテイクともいえるな。」


なるほど。確かに物資を補充したり、体力の回復や治療をするための町が近くにあった方が安心だもんな。

私の家がある地区はちょっと町の中心地からは外れた場所だったから、そうたくさん冒険者が訪れるわけではなかったけれど、確かに中心地には冒険者の宿とか鍛冶屋とかRPGに出てきそうな施設があった。


自分の生まれ育った町の新たな一面を知った私たちは、そろそろ行くぞ、というグイン先生の言葉に再び受付に向かって歩き出す。

でも、たぶん皆私と同じように今聞いた話について色々考えているはずだ。やけにおとなしい。

特にソーン少年がひどい。あんまりにも上の空で、しかも蛇行して歩いてるから、見かねた同じ東ラクラエンのベリリアント君に腕をつかまれている。

ちなみにベリリアント君は、鳥人族の血を引くちょっといかつい子です。頭が激しい黄色と真っ黒のツートンで完全に警告色ですが、面倒見のいい子です。


さて、入学手続きを無事に済ませた私たちは、魔術学校組と騎士学校組でそれぞれ別の場所に案内された。

そして即クラス分けを告げられる。早い。騎士学校組の子に別れを言う暇もなかったくらいだ。まあ、たぶんすぐ会えるけど。


「学校毎に名簿をお渡しします。教室はこちらから順番に並んでいますので、各々確認して教室へ向かってください。」


クラス分けかー。同じクラスに東ラクラエンの子がいるといいけど、全国から生徒が集められているというのだから、たぶん無理じゃなかろうか。

だって、一つの町から数人から大きな町なら数十人来るんだもん。物凄い人数のはずだ。

それをたぶん4、50人程度に割り振るんだろうから……東ラクラエンは私を入れて7人しかいないのだ。ランダムならまず無理だな。


前世での学校の生活を思い出してみるが…幼稚園とか小学校は昔すぎて覚えてないし、中学校以降は、誰かしら知ってる人がクラスにいた気がする。大学すら一応地元だったし。

というか、子供を集める範囲が国全体の時点で色々規模が違いすぎる。

そう考えると、ちょっと不安になってきた。友達出来るかね、これ。



ドッキドキ☆の学園生活が、始まる?

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