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プロローグ1


あ、やべぇ、死んだわこれ。


最後に頭に浮かんだのはそんなセリフだった。







「…さん…

…水橋沙羅さん…。」




遠くで自分を呼ぶ声がした気がして、目を覚ますと、そこはただ真っ白な場所。

白い壁紙ってわけじゃない。とにかく白いのだ。奥行という概念自体がない感じである。


で、そこにぽつーんと会議室みたいなテーブルがあり、そこには何か問題が起きた後の重役会議みたいな雰囲気で手を組んで考え込む様子のおじいさんや、綺麗なお姉さん、無表情のイケメン、ショタ…等バリエーション豊富な人たちが席についていた。


え、なにこれ夢?いや、あの世?

呆然としてると、綺麗なお姉さんが私に気づき、隣のおじいさんをゆさゆさと揺さぶり始めた。


「ダーナ様、ダーナ様、彼女気付きましたよ!!」

「ん、おおっ!!」


ぱっと目を開いたおじいさんは、そのまま瞬間移動し……瞬間移動???

いや、そうとしか表現できなかったんだよ。だって、私とおじいさんの間にはテーブルがあるのに、いきなりそれを無視して私の真ん前に現れたんだもん。


「はぅ!?」

「おお、気が付いたのだな!よかった、よかった!」

「え、ちょ、」

「自我が戻らない者も時々おるが…その反応を見る限り、その心配もなさそうじゃ。」


ぶったまげる私の反応をよそに、一人うんうんとうなづくおじいさん。ちょっと待て、不穏な単語が聞こえたぞ、今。ちゃんと説明しろ。


「ああ、すまんの。いやー、それにしてもよかったよかった。うん、うん。」

「私から説明させていただこう。」


このままだと話が進まないと思ったのか、テーブルに座ったままイケメンさんが口を開く。見た目より声が渋かった。


「貴方は、死んだのだ。」

「…リューシオン…あんた…。」


説明と言っておきながら、いきなり結論を言うイケメンさん(リューシオンさんというらしい)に、お姉さんが呆れたような視線を向けるが、イケメンは動じなかった。しかし、やはりそうか。死んだのか…。


「あ、はい。」

「あまり驚いていないようだな。」

「え、だって、目の前にドラマみたいに車が迫ってきて、すごい音と、なんかグsy「もういい。」


遮られた。


「問題はここからだ。」


そう言うと、イケメンさんはピシッと指を立てながら今度こそ説明をしてくれる。曰く、


・通常、死んだ者は魂を浄化され、記憶もすべて失い、新しい世界へと旅立つ

・具体的には、『清めの窯』というものにより、焼き清められる。(力業!!)

・私もそこに入ったのだが、窯の不具合により、中途半端になってしまった。

・だから、ここにいるし、記憶も残っている。


ということらしい。




「なるほど、つまり、ウェルダンにするつもりがミディアムとかレアになっちゃったってことですか?」

「それどころか、ブルーといったところだな。」

「例えがひどいわね…。まあ、そんな感じよ。全く清められていないわけじゃないんだけど…。窯での記憶はないでしょう?」

「あ、はい。」

「運がいいわね。」


…どういう意味だろう。あんまり聞かない方がいいような気がするのだが。


「まあ、とにかく、貴方は本来消えるはずの記憶が残ってしまっているの。完全にこちらの手落ちね。」


お姉さんは軽く頭を下げてくる。話がアレ過ぎて謝られても正直ピンとこないんだが。


「で、私は一体どうしたら…。」

「それなのよ。」



私が訪ねると、お姉さんは困った様子でため息をついた。



はじめまして。


完結目指して頑張ります。

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