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異世界騎士物語~触手系~  作者: 三年猫太郎
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第7話 Side 神聖フォルトレイス王国第二騎士団長

(ありえん……我が騎士団が…一瞬で壊滅…)


 魔王城玉座の間で、膝をついた女騎士が悔しさに顔を歪めていた。この場に居た神聖フォルトレイス王国第二騎士団の精鋭50名は一人の漆黒鎧の騎士の先ほどの一撃でことごとく壊滅させられている。手加減はされていたのか、再起不能な重傷者や死傷者は一人もいないようではあったが。


(しかし、あのような言葉をもらうとはな…。)


 女騎士は攻撃を受け、立ち直れないでいる時に部屋から出て行こうとする漆黒鎧の男ショクから声をかけられていた。その内容は今までの彼ら人間の価値観からするととても信じられないものであった。この世界の一般的な人間であれば、まず相手にしない類のものだろう。


(だが、これは一考する価値のある事だろう…。そもそも彼個人にはいくら王国の武力で向かっても勝てないだろうしな)


 自分の武力に絶対の自信をもっていた女騎士は、フッと自嘲めいた声を漏らした後、立ち上がり周囲の騎士たちに声をかけた。


「お前たち、いつまで寝ているんだ。栄えある王国第二騎士団として恥ずかしくないのか!」


 女騎士が一喝すると、レーザーに焼き払われた周囲の騎士たちが、うめき声をあげながらも立ち上がってくる。いくら手加減されていたとはいえ、やはり人間側最上位の戦力である彼らにも矜持があるのか、すぐに立ち直ろうとしている。


「ここは一度帰還するぞ。占領したこの城の維持は別の部隊の者たちに任せることにする。我々は一刻も早くあの鎧の男ショクについて王に報告するのだ」


 女騎士は即座にその場での判断を下し、次の行動に移ろうとしていた。女の身で王国第二騎士団の団長を務める彼女は、状況判断能力も高く、先を見る目も持っていた。今回の戦闘は彼女が今まで経験したものの中でも圧倒的な敗北であったが、そのような些事は気にもしないという風に、すぐに準備を整え、それこそショクが転移を使わなければ即座に追いつかれるほどの速度で魔王城から出立したのだった。


 漆黒鎧の男、ショクの言葉を脳裏にしっかりと刻みながら。

 

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