第1話
=キャラ紹介=
水無月 亜蓮:多分主人公。
高1。身長160cm。体重45kg。茶色がかったロングストレート。運動時、夏場はポニーテールにしている。美少女。
並外れた身体能力と頭脳を持っている。明るくさっぱりした性格。少し男勝り。パソコンオタク。最近はお菓子作りと音楽を聴くことがマイブーム。
夜宵は隣、俊は夜宵の反対隣。パソコンやりすぎで親に注意されたり、バイト帰りで疲れていると、よくベランダから夜宵か俊の部屋に飛び移り、そのまま眠ったりする。
加賀見 夜宵
高1。身長175cm。体重60kg。黒の短髪。
運動神経がとてもいい。1年では一番モテる。明るく素直な性格。バスケが好き。
幼馴染の亜蓮のことが好き。亜蓮がたまにくれるお菓子の試作品は、夜宵の密かな楽しみ。
神田 俊
高1。身長170cm。体重58kg。ちょっと長い、茶髪。
成績は常に5位以内。1年の中では夜宵の次にモテる。友達思いで、クラスの仕切り役。バスケが好き。
夜宵が照れているのを見るのが楽しみ。
「よ、夜宵。今日は早いじゃねぇか」
家を出た矢先、俺の幼馴染、神田俊と鉢合わせした。
まあ、それは実は普通のことだ。
俺―――加賀見夜宵と俊は家が隣同士で、子供のことからよく遊んでいた。
俊の家にベランダから飛び移れるほど近く、よく子供の頃はお互い怒られていたのも覚えている。
俊とは同じバスケ部で、俺と俊は一緒に1年にしてレギュラーとなった。
そしてもう一人。
俺の幼馴染で隣人の・・・
「あーー!!夜宵!俊!ちょっと待ってて!パソコンいじってたら遅れた!」
このパソコンオタク、水無月亜蓮だ。
亜蓮は運動神経よし、頭よし、料理もうまいとくる、いわゆる天才。
それに顔もいいので、学校でも一二を争うモテ女。
だが、こいつは重度のパソコンオタクで、どの部活にも所属せず、一人家でパソコンをやっているという。
しかも、恋愛に全く興味がないらしく、学校で告られてもサラッと流してしまう。
だけど・・・
「ほら、夜宵。待っててやれよ。俺は先に行ってるからよ」
ポンと俺の肩を叩き、即座に学校に向かう。
「ったく・・・///」
俊がこの場を離れた理由。
それは俺が亜蓮のことを好きだということを知っているから。
それで俊はわざわざ気を使ってくれている。
別にそこまでやらなくてもいいんだけどな・・・。
10分くらいして、亜蓮が玄関から出てくる。
「ごめん、遅れて!!ってあれ?俊ってば、また先にいったのか?」
「あ、ああ・・・」
「まあいいや。んじゃ行こ?」
そう言って亜蓮は笑いかけてくる。
やべぇ、可愛い//////
そんな風に一人顔を赤くするのが俺の日課。
平凡で楽しい毎日を送っていた。
+*+
「で、亜蓮はどっちなわけ?」
「何のことだよ」
「だーかーらー!スポーツ万能のこのクラスのアイドル夜宵くんと、頭よし顔よしのメガネアイドルの俊くん、どっちが好きなの!?」
「なんだよアイドルって・・・てか、どっちも幼馴染だし、二人とも好きだし」
「またまたー♪ホントはちゃんと恋してるくせにー♪」
そういって、クラスメイトで私の親友―――園原桜は私の肩をつついてくる。
「亜蓮みたいに、ルックスも中身もいい女なんてそうそういないんだよ?それを恋愛に生かさないでどうする!!」
「別に興味ないし。私はパソコンさえあれば十分生きていける」
「あー。まずはその考えを改めなければいけないぞー」
桜は口をすぼめてブーブー文句を言ってくる。
そこまで重視することなのか?
「分かった分かった!分かったから、そろそろバスケ部行かないといけないんだけど」
「お?もしや亜蓮もやっと部活に入る気になったのかなっ!?」
「は?違うし。弁当、夜宵と俊に届けに行くだけだよ。バスケ部に入るとかめんどい」
「弁当?」
「ああ。頼まれてたんだ、俊に。二人とも、今日と明日親がいないからって。弁当くらいなら作るの楽しいから引き受けたの」
「へぇ~~。んじゃあたしも行こっかな♪」
ニヤニヤしながらスキップして私の先を進んでく。
はぁ~・・・疲れるなぁ、もう。
まあ、でも。
桜といるのは、楽しい。
そう、思う。
+*+
そして、体育館。
「あ!夜宵ーーー俊ーーー!!」
亜蓮は二人に向かってブンブン手を振る。
二人は亜蓮に気づくと、亜蓮の方へ手を振り替えし、走ってきた。
「はい。こっちが夜宵ので、こっちが俊のね」
「お、サンキュー」
俊は普通の返事をしたが、
「えっ!これ、亜蓮が作ったのか!?」
夜宵は驚いた様子。
「?そうだけど・・・俊から聞いてなかった?」
それを聞いて、夜宵は俊の方に向き直る。
「俊、てめーの仕業か・・・」
思いっきり睨んで小声で俊に言った。
「まあまあ。いいじゃんか。俺の心配り、ありがたく思え!」
そういって俊は夜宵と肩を組む。
その様子を見ていた亜蓮は不思議そうに言う。
「どしたの?いきなり肩組んじゃって」
「い、いや!なんでもない!ありがとな、亜蓮//////」
夜宵は顔を赤くしながら必死に誤魔化す。
「そう?んじゃ私はいくよ。今日はバイト入ってるから・・・」
亜蓮が体育館から立ち去ろうとすると、それまで3人のやりとりを見ていた男女バスケ&バレー部員たちが一斉に押し寄せてきた。
「亜蓮!!今回の大会に出てくれよ!」
「お前だったら男子に混じっても全然問題ないって!」
「亜蓮が出てくれたら優勝間違いないって!」
「頼むよ亜蓮!」
「今回だけでもいいからさ!!」
それは、それぞれの部からの勧誘だった。
スポーツ万能な亜蓮は、大会や試合の前となるといつもこんな調子で勧誘を受ける。
「え・・・でも・・・」
「先生も亜蓮ならいいって言ってくれてるんだ!」
『頼む!!!』
そしてその場の全員が亜蓮に向かって土下座した。
「・・・はあ。もう・・・」
亜蓮の苦悩が、一つ増えてしまったのだった。
主要キャラはもう一人いますが、次回かその次あたりにでてくると思います。
感想等、よろしくお願いします。