日本の都市はロックダウンできない
海外でロックダウンができるのは、人流を止めても、物流が残るからだ。
日本は主に、鉄道とバスは人を運び、トラックが物を運ぶ。それに比べ大陸内に位置する国や都市が離れている国などは、どの輸送方法も人に偏って運んでいるわけではない。人が乗らなくても、物を運ぶことで収益を確保できる。しかし、日本の公共交通機関は人を運ぶことに特化している。
ロックダウンすれば、公共交通機関はすぐに干上がる。そのため、大きな人流抑制ができないでいる。
さらに、繁華街と住宅地が離れていることも問題だ。生活必需品は住宅地近郊でも十分まかなえる。が、飲食業の多くが、住宅地と離れた場所にある。おまけに東京では車の保有率も低い。
ロックダウンしたらどれだけの保障が必要になることか。民間の経営破綻もだが、行政の財政破綻も起こる。海外に比べ、地産地消が不十分だ。都市での消費が減れば、地方で物が余る。
政府による都市のロックダウンは、地方経済の悪化に直結する。しかし、地方への保障はない。都市のために地方を犠牲にすることになる。