第6部分 状況整理
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「南方に駐屯しているデニーキン南方指揮官は、ペトログラード及びモスクワへに進軍ですな。」
「そうですね。」
「南方軍は、デニーキン南方指揮官を筆頭とする軍の再編の仕方でいいでしょうな。」
「北西に駐屯しているユデーニチ北西指揮官も忘れてはいませんよね?」
「忘れるわけがないだろう?」
「心配だったから聞いてみたんだ。」
「そうか....」
「ところで....列強の力も借りれているんだよな。」
「ああ、列強の支援を受けつつ、反ボルシェビキ勢力と手を組んだらかなりの兵を集めることができるだろうな。」
「ありがたいことだな。」
「いないよりはましだからな。」
「ところで、なぜ大日本帝国軍はコルチャーク総司令官に兵をよこさないんですか?」
「そうだな。白軍の総司令官にそう求められたにもかかわらず....」
「きっと、イギリスやアメリカの顔色を窺っているんでしょうね。」
「この数年で、我々と同じ列強の仲間入りを果たしたが所詮小国ですな。」
「「「ははははっっ....」」」
「少し心配ですね。」
「それ、前も言っていなかったか?」
「あれ?そうだったっけ?」
「確かに前も言っていたよ。」
「また、何か心配する要因が見つかったのか?」
「アメリカ人のウィリアム・S・レイブスがコルチャーク総司令官の独裁政権に反対して一切の協力をしていないんですよ。」
アメリカ人の、ウイリアム・S・レイブスはコルチャーク総司令官の独裁政権と君主主義に反対して独裁政権が成立した時から一切の支援を行わなくなったのだ。
政権樹立の支援は行なったようである。しかし、独裁政権だとわかったら協力が消極的になった。
「アメリカは本当に味方なのか?」
「....心配だな。」
「全くってことではないですよ。」
「ならいいんじゃないか?」
「アメリカの支援が受けられないのは痛いな。」
「そうだな。で、どんなことを今はやってくれているんだ?」
「コルチャーク総司令官が身を置いている付近のシベリア鉄道の意地のみならやってくれているようです。」
「シベリア鉄道の維持のみか....」
何もしたくなかったようだが、シベリア鉄道を奪われるとアメリカの立場が悪くなるのでやむなく維持だけに努めたようだ。
「はい。そのようですね。」
「何もやらずに、ただ傍観者となるよりはいいんだけどな。」
「そうだな。」
「あとは、フランスですかね。」
「なぜだ?かの国は、協力的ではないか。」
「それは、こちらに対してだけです。」
「どういうことだ?」
「モーリス・ジャナンは、コルチャーク総司令官のことをイギリスの傀儡とみなしているのです。」
「確か、モーリス・ジャナンはフランス軍部と、指揮している軍団に多大な影響力があったな。」
「ええ、彼はフランス軍軍事顧問ですね。」
チェコ軍団の指揮を執っているモーリス・ジャナンは、コルチャーク総司令官をイギリスの傀儡とみなしていた。
故に、アメリカと違って一切協力はしなかったようだ。
「その人からもよく思われていないのか....」
「悲しいことに....」
「....なるほど。君が心配する理由がよくわかったな。」
「私もだ。早急に解決しないと我ら白軍が負ける要因にもなりそうだ。」
「わかってくれますか?」
「もちろんだとも。」
「まずはアメリカに聞いてみようかな。」
「ほっ、本土にですか?」
「馬鹿野郎っ!誰が、そんな馬鹿みたいな命知らずなことをやるんだよ!」
「現在、ここに派遣されている人に聞いてみるってことだろう?」
「そうだな。」
「ならよかったです。」
「普通に考えたらわかるだろ?」
「盲目的になっていました。」
「そうか....」