第3部分 妻のいじわる
「戻ったのね。」
「危なかったよ。」
「ちょっと待ってて、この子が泣き止んでからね。」
「大変だなぁ.....」
「あなたも見ていないで何か手伝ってよ!」
「はっ、はい!」
「ちょっとっ!ちゃんと首を支えてあげてっ!」
「わかりましたっ!」
ー・ー・ー
あらあら、結構怖そうな軍人さんが妻に叱られているだなんて....あの人は、妻に尻に敷かれているのかもねぇ....
夫が、慣れていないことから、初めてのお子さんかな?
ふふふ、なんだか私の若い頃を思い出すねぇ〜懐かしい。私も早く天国にいる夫に会いたいね。
「トイレを済ませてから私の元に戻れば良かったのに....」
「アイスが、溶けちゃうんじゃないかと思ってね。」
「外は凍えるくらい寒んだからアイスが溶けるわけないでしょ?」
今日も、マイナス36度くらいの寒い日であった。
「だって、病院の中はとても暖かかったから....」
「....気を遣ってくれてありがと。」
「ああ....」
「でも、アイスの味選びでこんなに遅くなるわけないでしょ?何してきたの?」
「とっ、特に何もなかったぞ!うんうん。」
[ばっ、バレてしまう!]
「本当に?」
「じゃあ....これは何かしら?」
「えっ!?」
「....何してきたの?」
「君には本当に敵わないな。ちょっと電話をしてきたんだよ。」
「誰と?」[この人は、浮気なんてしないでしょうけど....]
「上司とだよ。」
「ふ〜ん....」
「明日会議があるらしい。これ以上は、機密情報のため君にでも言えない。」
オレグは、こう見えてもかなり上の方にいる人物である。仮にマークされていて、機密情報が外に漏れてしまったら重役が集まる会議だ。赤軍の格好の餌食となってしまうだろう。
「わかったわ。」
「そこの引き出しに入っているスプーンをとってくれない?」
「上から何段目だ?」
「1番上の引き出しに入っていると思うよ。」
「これでいいか?」
「ありがと。」
「蓋、開けようか?」
「これくらい出来るわよっ!」
「ごっ、ごめん....」
「もう....んん〜美味しい!」
「あなたも一口いる?」
「いいのか?じゃあ、お言葉に甘えて....」
「やっぱり、あ〜げない!」
「えっ!?」
「んん〜美味し!」
「そんなぁ....」
「嘘よ、嘘。はい、あ〜ん。」
「おおっ!....確かに美味しいな。」
「でしょ〜」
「ああ、おいしかった。」
「退院して、この子が落ち着いたら二人でまた行きましょ。約束ね。」
「ああ、約束だ。」
ー・ー・ー
「上司、お土産です。」
「ん?なんだ?」
「これをどうぞ。」
「ほう....一体なんだろうか?....アイス?」
「はい、オススメのお店です。」
「こっ、この店は....店に入るのに勇気がいっただろ?」
「そうですね....」
「君とは、趣味の話でも合いそうだ。」
「は、はぁ....」
[地雷を踏んだ可能性があるな....やっちまったぁぁぁっ!]
「今度私と一緒にどうかね?」
「迷惑でなければ....」
「じゃあ、決まりだな!」
「そうですね。」
「これ、ありがとな。」
「はい、お気に召されて良かったです。」
「いや、意外だなぁ。君はこんなものを食べるとは....」
「食べれますよぉ!」
「ほら、会議へ行くぞ!」
「そうですね!」