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10.大変なトイレ

10.大変なトイレ


不潔恐怖にとってトイレは非常に大きな問題で、私にとって最も苦手なものだ。


外出先でトイレを使えるかというと小便器なら使える。

他は無理だ。

ほんとうは、トイレ自体あまり使いたくない。

不潔恐怖があるからだ。

何か些細なことが切っ掛けで強迫観念に支配されかねない場所なのだ。


匂いを嗅ぐというのは原子レベルでそれを取り込んでいる。

他人の便の匂いを嗅ぐというのは、原子レベルでそれを取り込んでいる。

そして、それは原子レベルで衣服に付着している。

普通そんな事考えないと思うし、もし考えたとしても流せるものじゃないだろうか。


もし、個室の扉が開けてあって、運悪く流していない便があるのを目にしたらもう終わりだ。

その場で回れ右して自宅に帰り儀式をしないと先に進めなくなる。


しかもこれは予期せぬ汚れ、緊急事態にあたり、普段よりも念入りな儀式が待っている。

想像しただけでうんざりしてしまう。


だから、なるべく使いたくない。

小便器がない場合は困る。

和式にしろ洋式にしろ、跳ね返ってくる水滴が服にあたりでもしたら、耐えられないからだ。

なにしろ、あれは便が流れる水だ。

今これを、書いているだけでも鳥肌が立って背筋が寒くなる。

その服は、洗濯しても我慢できない。

捨てるほかなくなってしまう。

尿ですらこのざまなのに、便など外でできるはずもなく、家まで我慢する。


私にとって日常生活で一番大変なのはトイレだ。


自宅のトイレなら問題ないわけではない。

自分の便は許せるのかというと、許せるはずがない。

便をした後の儀式は嫌になる。


まず、服を汚さないために全裸にならなくてはならない。

便をした後に使うトイレットペーパーの量も多い。

強く拭きすぎて肛門がヒリヒリと痛む程に使う。

それだけじゃなく、肛門から内部にまで紙を入れて拭く。

そうやって、念入りに拭いてから時間をかけてしっかりとシャワーを浴びる。

酷い時にはトイレットペーパーが一個まるまる無くなるし、この時に使う石鹸の量も何時もの比ではない。

それら一連の儀式には1時間~2時間もかかる。


便をするという行為は私にとって日常生活の中で最も大変な儀式とセットなのだ。


強迫性障害は好きで儀式をしているわけではない。

儀式は物凄く疲れる。

その儀式が大変なものであればあるほど、できればしたくない事だ。


結果、便意を我慢しがちなのだ。

通常より大変な儀式を先延ばしにするために、便意を我慢する。

不潔恐怖の人は、そんな理由で便秘を患うと思う。

私も、それが理由で痔に悩んでいる。

不潔恐怖は、精神的な疾患以外の病気も引き起こす。


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