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機械仕掛けのラグナロク
世界の端に広がる海。
そこに突如、巨大な島が出現した。
魔王スルトが封印されているという伝説の地、『ヴァルハラ』。
封印が解け、島の出現と同時に、彼はこの世界に再び姿を現した。
その姿は美しい容姿をした壮年の男性。
しかしそれは人間界に降り立つ際の仮の姿である。
魔王は言った。
「同士諸君、この日を大変待ちわびただろう。今こそ旗を上げる時が来た」
魔王の前に整列する異形の存在たち。
魔王が指揮する魔物の兵士である。
魔王の復活とともに、魔王軍もこの世界に降り立った。
その数、優に百万人を超える。
そしてその一匹一匹が精鋭であった。
「手加減はいらぬ。存分に暴れるがいい。人類に絶望を与えようではないか」
魔物たちが雄叫びを上げる。
魔王は楽しげに笑った。
今から起こる殺戮の光景を想像し歓喜していた。
人類の滅亡。
それが魔王の目的だった。
「――さて、『ラグナロク』を始めよう」
この機械仕掛けの世界で、人間対魔王による戦争が始まった。




