1.死んだ後、転生をする
今日、私はコミケに行き薄い本などを大量購入した。
その中でも一番楽しみなのが、同志・調教された犬同盟の会員No.1が書いた「女王様の奴隷」です。これは、乙女ゲーム「Flowers Lover~小さな花の名を持つ君へ~」の悪役令嬢を主役とした同人本。新刊なのです。
ホクホク顔で帰る途中、歩道に車が突っ込んできたので思わず隣に歩いていた男の子を突き飛ばした。
意識が朦朧とした時に、男の子の母親と思われる女性が必死に呼びかけています。彼女は、調教された犬同盟の会員No.98。
私は意識を失いそうになる中、今持っている本の処分と調教された犬同盟の会員No.100に連絡して欲しいことを頼みました。
これで、安心して死ねます。まさか、死に際に人に見られたら黒歴史の処分を頼むなんて、想像していませんでしたけどね。でも、これで私のことを真面目だと思い込んでいる家族に知られずに済む。死にそうなのに、思わず顔がニヤケそうになる。あの男の子は、無事だったのだろうか?
しばらくして、意識が戻ってきた。
あれっ? 私はあの時に死んだはずじゃ?
体が沈むほどのふかふかのベッド。今まで寝たどんなベッドよりも、高級な気がする。
誰か呼んでいるような気がするけど、もう少し、あとちょっと寝かせてほしい。
起きたら、きちんと話を聞くから。
そう思っているうちに、私は再び意識を沈めた。