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僕と俺  作者: 小枝 愛菜
1/1

プロローグ





もう、この世界で生きていくのは辛すぎる。

僕は、目を閉じた。









気が付けば、僕はどうしようもない人生を歩んでいた。


ただひたすら闇と言う名の途を歩く。

目は開いている。耳も傾けている。口も動いている。息もしている。


なのに、心は酷いものだ。

心の奥から沸き上がる懺悔の念に、弁を明かそうともがく自分。


――あぁ、こんな今になるとは。思いもしなかったんだ。


ただ、自分に素直になって、全てを投げ出して、違う途を歩みたかっただけだ。

それまでの自分に嫌気がさしてたんだ。

なのに、僕の周りを囲む人々の目は厳しい。


――ああ、そんな目で見ないでよ。



人は皆が同じじゃなくてもいいはずじゃないか。

なんなんだよ、どうして同じを求めるのさ。


だけど、気付かされるのは、今僕はこの世界で生きていること。この世界で生きるということは、暗黙の了解のうちに仕立てあげられたこの世界のルールに従わなければならない。その時、理解したんだ。


――僕は既に違法人だ。

そうだ。だから、そんな目を向けられて非難を浴びなければならなくて、弁を明かそうとも誰も聞いちゃくれないんだ。


何時しか言っていた。

「――君は、個性豊かね」


個性とは称賛されるべきものだろう。なら、なぜ僕は非難されるのさ。この世界は、いかほどに複雑なのだろうか。僕のちっぽけな頭では、理解など出来なかった。






だから僕は、この世界と別れるべく、目を閉じたんだ。




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