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79刀
「なにをしておられますの?」
後ろから声がする。ヘズだ。
「あなた、教えたでしょう?」
…バレた。
「いいえ、ヘズ様。違います。」
「違うも何も記録が…!能力が…!」
「うるさいなぁ。」
ゆっくりと両方の剣を抜き構える。
「ストップ、鎦花ちゃん」
「…!」
アヌビス…。
「ヘズもなんで見張ってるの?」
「えっ?」
「見張りは俺がやるように言われたんだけど。」
「す、すいません」
「仕事間違いは死罪だよ?」
アヌビスがだんだんと殺気を帯びている。
一般人、いやそういう類いに弱い人には分かりにくい。
「アヌビス様、止めてやってくれませんか?」
「君が裁かれるけどいいの?」
「別に?死んでもいいですから。」
ノアの悲願が達成出来ないけど。
「うーん困ったなぁ。
アンラならどうするよー!」
急に気配が浮かび上がってきた。
さすが藍季さん…。
「ノア様の元へ2人とも差し出すけど」
「へえ、そーゆうね…」