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。鈍。  作者: 深水葉月
83/89

77刀


 産まれてから今までの記憶がぜんぜんない。

 私はふと気づいた。

 なぜノアといたのかも、なぜ女優なのかも、どこで産まれたのかも、覚えてない。

 それは消されたのか、もしくは自然に無くなっていたのか。それすらも分からない。

 もしかしたら。もしかしたら。私の記憶は…。


「三咲ちゃん?」

「え…!あ!どうかしました?」

「いや、何もなきゃええんやけど…!」

 突然話かけてきた、夕暮さんに驚いてしまった。

 物思いにふけるなんて程大したことではないけれど、本当にないんだけれど!

 私の記憶は本当に曖昧で、ここ数年いや、2年くらいしか記憶はない。


「どうした?お前ら突然…」

 集まってきたのは、1組のメンバー。

 これから始まるのは、催眠の書き替えだ。



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