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74刀
「誰だそいつ」
呆れた。
あんなに愛してるって言ってた奴が何を…。ハァ。
「やから。守城鎦花。
あんた知っとるやろ?」
「そんな奴いない」
「は?」
「何組だ」
ふと、クラス表に目を移した。
…、やられた。
つまりなんかの催眠なんやろう。
鎦ちゃんを三咲。
夕暮を優。
入れ替えようとしてたわけや。
「…、なんでもないわー、ごめんごめん!
ってゆーか、仕事やろ?はよ行きーな!」
「ほんとお前っておかしいよな」
「うっせーわ!!」
なんか余計なひと言を残していきやがった。
「三咲ちゃん」
うちは作り笑いを浮かべる
「この後暇ぁ?」
「広範囲催眠…」
「よくわかったね、偉い偉い!」
「子供じゃないんです」
冷たくあしらう私に、ノアは付きまとう。
「うちには有能な人間しかいないからね♪」
「そうですか」
「誰がって聞かないんだね」
「愛季さん。愛季さんの能力でしょう。」
「また変なオプションついた?鎦花」
にこ、と心もない笑みを私は浮かべる。
原罪と言う名の私の通信機。
それは、夕暮さんの元に行っている。
心配しなくても大丈夫、そう。
ヘズがいなければ。