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。鈍。  作者: 深水葉月
79/89

73刀



「い、て」

「あ、夕暮さん!」 

 うちのもとに走ってくる三咲ちゃんを、苦笑いで迎える。

「あぁ、せや。

 あんたもノアの仲間だったんやな」

 隠せない怒りが腹の中から込み上げる。

「は、え…何のことですか…!?」

「ふざけるのも大概にせぇや。

 うちは、ゆるさんから。」

 血の気の引いた顔をする三咲ちゃんが、なんだか鎦ちゃんに見えた。


「ノア?って、旧約聖書?

 頭でも打ったのか?夕暮は…」

「仁?」

「じゃ、俺、仕事があるから」

「やから鎦ちゃ…」


「誰だそいつ。」






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