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68刀
観戦客が多くなった。
次は、智ちんと三咲ちゃんの戦いや。
智ちんは日本刀を構えた。
一方で、三咲ちゃんは腰にブーメランをつけている。
時計の針がカタカタ動く中、始まるのは11時30分。
時計の針が“6”をさしたと同時に、高い笛の音が鳴り響いた。
試合開始の合図や――!
智ちんは剣道でいう“突き”を三咲ちゃんの喉に向かって繰り出した。
三咲ちゃんはブーメランについている刃の部分で、それを防いだ。
高度すぎてわかりずらい戦いやわ。
二人は同時に後退。
そこを狙って、三咲ちゃんのブーメランが投げられる…
「【標的枠】」
智ちんの体に曲線が描かれる。
「!!?」
そこに向かって、ブーメランが直撃した。
「あり、理事長?」
そんな中、理事長が試合を見に来ている事に、うちは気付いて近寄った。
それが大きな間違いや、とも知らへんで…。