4刀
脱・引きこもりおめでとうな鎦花。
今回から、ゆるい学園物になっちゃいますw
今日から、中学校に通い始めます。
・・・3年だけど。
「ちょっと。兄さん。」
「・・・なんだ?」
何でついてくるのかなぁ。
「愛する妹の初登校だろう?」
「うっさい、黙れ、死ね。」
「そんな言葉づかいするんじゃない!!」
「じゃぁ、死んでくださる?お兄様?」
わざとらしい泣いたふりをしながら、兄はついてくる。
・・・ホント、シスコンって嫌だよね。
「こっち、こっち!鎦ちゃん!!!」
「あ・・・えと、理事長!!」
「もう、昔みたいに藍李って呼んでもいいのに!」
「じゃあ、藍ちゃん!」
フフフと、二人は笑いあう。
ちら・・・と、横目で錮皇兄さんを見ると、凄く不機嫌そう。
だって藍ちゃんと、お兄ちゃんは・・・。
「おい、白谷。てめぇ、鎦花と話すんじゃねーよ。」
「いつになっても、君は言葉遣いが悪いな。」
「あ゛ぁん!?ふざけんじゃねぇよ!お前が理事長なんて分かってたら、この学校に入学なんかさせてねーし。」
「じゃあ、僕も君を不法侵入と認めて、警備員を呼ぼうか。このシスコンが。」
「くそ、本性表しやがって。こんな腹黒い理事長で大丈夫なのか?この学校は!」
ペラペラと早口でお互いの悪口を語るこの二人は、何を隠そう同級生だ。
私の兄・守城錮皇と、この学校の理事長・白谷藍季。
家族ぐるみで、守城家と白谷家は仲が良く、誕生日もちょうど1カ月違いのこの二人。
小さいころから仲が悪く、一緒にすると毎回喧嘩していたそうだ。
極めつけは高校時代に風記委員会VS不良で全面戦争を起こしたらしい。
そんな二人だ。
「藍ちゃん、私の、クラスって?」
「あぁ、3年4組だよ。」
「じゃあいくね!ありがとう。」
軽く走りながら、昇降口まで行く。
はぁ・・・。団体行動とか、苦手なんだけどな。
この学校は、一日一時間・実戦練習があるそうで、
死傷者が絶えなく出ているらしい。
私は、こんな学校でやっていけるの・・・かな。
教室について、自分の席に座る。
周りがザワザワしている。
あ、そうか。私が来たからか。
その途端、ビチャっと、液体が顔にかかる。
不思議に思い、顔を拭うと手は赤。
目の前には、半死人と男。
「オイ。そこの女。名前は?」
切れちゃっていいですか。
俺様なのは、兄貴だけで十分だっつーの。
「おい、俺が聞いてるんだから・・・」
「何様だ、あんた。自分から名乗れよ。」
はは、相手がポカンとしてるや。
ドSな兄貴のおかげで、私、口だけは強いんだw
「は…?俺を知らねえの?」
「…?うん。っていうか、話し方なれなれしい奴嫌いだし。」
ははははと、男は笑って、私の方を見る。
「錐崎仁也っていうんだ。それは失礼。」
え……?
錐崎仁也…だって…!?
。
錐崎さんの正体は次回で。
白谷理事長とお兄さんは書いててたのしすぎる!