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46刀
「夕暮さん!仁さん!」
勢いよく控え室のドアが開かれる。
僕は、能力をまた使い始めた。
「あらぁ、鎦ちゃん!どないやった?」
「その…っ、あの…」
なんやら、鎦ちゃんはしどろもどろに話を誤魔化している。
「単刀直入に。何があった?」
仁の質問に鎦ちゃんが大きく息を吸う。
「決勝は、予想と違うチームとです!
しかも、みんな能力持ちで―」
嘘やろ。
あの3人は…?
約束しとったのに…
「…ちゃう。…ちゃうやん…
なんなん…、クソッ…!!」
「え?夕暮さん!?」
久しぶりだ、こんなに怒るの。
「や、やめろ…、夕暮――!!!」