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43刀
「僕は君を可哀想とは言わないよ」
Noah様は言った。
「世界を跪かせばみんなも思わないよ」
貴方は、嘘を、虚偽を、言って?え?
「絶、らしくない。」
「僕らは弱くても負けても笑おう」
「「絶」」
これが、仲間か。
僕の、俺の、欲し、かった…
「気を、付けろ、ちっちゃい、の」
「え?私ですか?」
絶は鎦花を指す。
「Noah様、否、Noahを、狙って、る」
「…?Noah?」
「あああ。失念したよ、同士。
絶くんの能力はNoahから産まれたのに。」
高見から観覧していた理事長・藍季は呟く。
「Noah様も居ない、僕がこの学園を統べる。
学園主にならなければ。」
心頭した瞳で藍季は更に呟く。
もはや、藍季の面影もない。
「同士達にがんばってもらわなきゃね。
僕らは1つなんだから。」
フフフ、と不気味な笑いを藍季は浮かべた。
理事長室には、不気味な影が幾つか笑い声と一緒に揺れていた。