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41刀
【強欲】になっても、私の姿は何も変わらない。
ただし…!
「ああ、その能力!容姿!才能!人望!家柄!
全て欲しい!!なにもかもなぁ!!!」
強欲になる以外は。
「俺の本にある258個の能力よりも便利だ!!」
ハハハハ、と悪人のような笑いを【強欲】は浮かべる。
「援護してくれよ、夕暮ちゃん」
「あ?はぁ…」
ニヤ、と少し笑って【強欲】は本を片手に持ち、走りだした。
【死者の手】の攻撃をすり抜け、術者を1発で沈めた。
「5678個の内の1つ!【無視回避】!!」
絶くんは、仲間が倒れたと言うのに、何も気にせず戦う。
そして、回り込んだ仁さんとの一騎打ちとなった。
「悲しくないのか」
「別に」
「苦しくないのか」
「全然」
「寂しくないのか」
「思わな、い!!!」
ゼェ、ハァ、と絶くんは息を切らせる。
仁さんは、相手を泣きそうな目で見た。
私は【七大罪】を解除した。