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39刀
「不離、無声ぃ、いつも通り、やろぉ」
「絶」
愛尾不離と言うチーム内唯一の女の子が、リーダーの名を呼ぶ。
「らしくないね。」
ふぅ、と一息不離は吐く。
「不離、何、て?」
「らしくない。絶、何かされた?」
不離が絶に近寄る。
「止め。落ち着き。」
僕が声をかける。
「『卑怯でも、勝つ。弱くても逃げない』誓った。目標。」
コクコクと僕は頷きながら言う。
「失念、してた、あぁ、勝とう」
絶が呟き、手を地面に着けた。「【跪器具】」
ボールが人形になり、従順な奴隷へと化し、相手へと向かっていく。
「【死者の手】」
僕も、絶に続いて能力を発動した。