2刀
自分を鈍刀だという鎦花。
なんとか鎦花を“剣士”として一人前に育て上げようとする兄・錮皇。
そんな中、守城家に次男と三男が帰ってくる。
兄と妹の弐刀始まり始まり♪
ピンポーン。
ピンポーン。
インターホンの音が家に鳴り響く。
午後5時。
つまり、17時。
守城家にお客が来たみたいだ。
「はい?」
錮皇兄ちゃんが出たみたいだ。
私はこたつでみかんの皮を剥いた。
どたどたと、せわしない足音が近づいてくる。
その途端、ガラッと居間の戸が開いた。
「鎦花!早く逃げるぞ!!!
あの二人が帰ってきた!!!」
錮皇兄さんが、あわてている。
が、それも虚しく居間の戸をこじ開けて
その二人は入ってきた。
「錨兄さん!鑕兄さん!
お久しぶり!!!」
みかんを差し出しながら手を振ると、錮皇兄さんがその手を払いのけた。
「なにすんのよ、錮皇兄さん!」
「あいつらは教育に悪いから、中学生が見ちゃだめだ!」
「もう高2ですけど?」
すんなりと言葉で払いのけて二人の方に行く。
相変わらず、錮皇兄さんと、二人は仲が悪いみたい。
女装壁のある鑕兄さんと、
腹黒ドSな錨兄さんは、二卵生の双子で同居している。
女装も似合っててきれいな鑕兄さんや、
いろいろ教えてくれる錨兄さんは、小さいころからとても好きだった。
「おー、相変わらずチビだな、鎦花」
「なんてこと言ってんの、気にしちゃダメだからね、鎦」
「うん、兄さんたちも変わって無くて良かった!」
「僕はー、兄さんより姉さんとか、かなって呼んでほしいけどねー♪」
「・・・黙れ男女」
「ははっ、見てわかれよ―w」
錨兄さんと鑕兄さんの挟まれて、三人で話をする。
「そういえば、鎦!学校行ってないんだってね」
「俺らだって、授業妨害しかしてなかったけどな」
「・・・だって・・・。」
私はごもって口を閉じた。
「ダメだよ、ちゃんと行かなきゃ。
なんか行きたくない理由があるの?ほら、カツアゲされたとか?」
「いや、カツアゲってねえだろ、今時。いじめとかじゃね?」
「剣士に、
剣士になりたくないから。」
ついに打ち明けた。
「はは~、それは、無理、、、かな?」
「諦めろ」
口々に兄さんは言った。
「な、なんで!!おかしいじゃん!」
私は気付くと叫んでいた。
そして、また今日も、
部屋に閉じこもって一日を過ごしていた。
引きこもり鎦花になっちゃった。
個人的には、錨兄さんの性格が自分に似てると思います。
で、鑕兄さんは好きな性格です。
こんな双子がいてもいいよね?