22刀
『いいのぅ、鎦ぅ?』
「何がですか…?」
『…ん、気づかないならぁ、いーかぁ…』
相変わらず変な間延びした声でうさぎのストラップもとい、原罪は話しかけてきた。
私は、着替えを済ませ朝食のパンをかじった。
苺ジャムの甘い匂いが漂う。
『バトルシップのぉ、トーナメントどうなってるのかなぁ…』
「…はい。」
夕暮さんに書いてもらったトーナメント表を原罪に渡す。
負傷者の手当てが大変なので、実行される試合は一日一試合で今日ある試合は、
死野絶、希屋無声、愛尾不離
VS
白井唄、古田光、舛谷槊
となっている。
見に行こうかな、なんて呑気に私はソファーでくつろぐ。
そうか、私たちは明日試合なんだった…。
ふと思い出し、夕暮さんにもらったデータを見てみる。
明日の対戦相手…。
索道匂雪、神祇八紘、アドウッド・ハモン。
…え。不思議チームって何それ…。
『おぉいー、鎦花ぁ色欲が呼んでるるぅうー』
「ハイハイ、繋いでください!!」
「ハロー!鎦花!!
明日はいよいよ試合ねっ♪」
「相変わらず陽気ですね、色欲さん。」
「んふ、いーじゃない?
能力全員準備は整ったみたいよ、それだけよ!」
「わかりました、ありがとう色欲さん。」
戦う。
殺さずに戦う。
難しくても、殺さない。
それが私の掲げた新しい課題だった。