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20刀
目を覚ますと、前には仁さんと夕暮さんが居た。
二人とも、らしくない不安げな顔を浮かべている。
「どうしたんですか、そんな顔らしくないですよ?」
「ふぁ…鎦ちゃぁぁぁん!!」
夕暮さんがベットにダイブして私を抱こうとしたところを、仁さんが夕暮さんをつまんで、止めた。
「その、悪かった…な。」
「いえ、大丈夫ですよ!記憶も戻りましたし!」
そう、記憶。
そして深層意識で掴んだ潜在能力【七大罪】、も。
「だから、泣かないでください。
もう、足手まといになんてなりませんから!」
私は苦しそうに見る二人に笑って見せた。