19刀
一方その頃。
鎦花は、自分の深層意識にいた。
「はぁい!お久しぶり、鎦花!
色欲ちゃんよん♪」
「色欲…?」
「そう、色欲。
貴方の中の整理も担当しているわよ!」
「へぇ…。」
周りをぐるっと見回すと、そこには6人の人がいた。
「紹介するわねぇ、」
まず、一番近くで鏡を持っている人を指差す。
自分を見て、うっとりしている。
ちなみに、縦カールですごく貴族っぽい。
「傲慢ですわ、どうぞよしなに」
次に、その横でたくさん食べているが、太ってはいない女を指差す。
「…暴食、よ、ろ」
ガツガツとご飯をかきこみながら、暴食が言う。
その近くで、暗い目をした男を指差す。
「あ、なんだ、俺なら強欲。」
皆を交代でみて、ため息をついてる女を指差す。
「…、ハァ、嫉妬、よ。」
「最後に…、ほら、あそこ。」
鎖に繋がれた、野性を思い出すような男を色欲は指差す。
「…!憤怒ぅぅ!!!!!!!」
鎦花は全力で走り、殴った。
そして、襟をつかんで憤怒を立たせた。
「よう、久しぶりじゃねぇか。」
「なんで、殺した!優、くんを!!!!」
「思い出したのか、つまらねぇな」
そういうと、憤怒は軽々と鎦花を振り払う。
鎦花は後退し、構える。
「野蛮人みたいじゃねぇかよ、俺が。」
『そんなわけなぁいよぅ、いけないのは君だお』
肩にいるぬいぐるみがしゃべる。
「なん…で!!」
『僕らぁは悪くなぁい!君が能力を使いこなせばいいのぉ!』
「使い…こなす…?」
「原罪、か。珍しいな喋るの。」
『鎦花は僕ぅ、僕は鎦花だからぁ…ねぇ』
クスクスとうさぎのぬいぐるみは笑う。
『難しすぎたかなぁぁ?
そろそろ帰りなよぅぅ、
怠惰と入れ替えにねぇぇっ!』
「え、まだ聞きたい事…」
『僕らはいつでも君の中にいるからぁ、大丈夫ぅ!』
「…!でも…!」
『早く行かないとぉ、君の友達が心配してるよぅ』
不気味に微笑んで、ぬいぐるみ改め原罪はゲートを作り、私をその中に放り込んだ。