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。鈍。  作者: 深水葉月
25/89

19刀


 一方その頃。

 鎦花りゅうかは、自分の深層意識にいた。


「はぁい!お久しぶり、鎦花マスター

 色欲ラストちゃんよん♪」 

色欲ラスト…?」

「そう、色欲。

 貴方の中の整理も担当しているわよ!」

「へぇ…。」


 周りをぐるっと見回すと、そこには6人の人がいた。


「紹介するわねぇ、」

 まず、一番近くで鏡を持っている人を指差す。

 自分を見て、うっとりしている。

 ちなみに、縦カールですごく貴族っぽい。

傲慢プライドですわ、どうぞよしなに」

 

 次に、その横でたくさん食べているが、太ってはいない女を指差す。

「…暴食グラトニー、よ、ろ」

 ガツガツとご飯をかきこみながら、暴食が言う。


 その近くで、暗い目をした男を指差す。

「あ、なんだ、俺なら強欲グリード。」


 皆を交代でみて、ため息をついてる女を指差す。

「…、ハァ、嫉妬エンヴィー、よ。」

 

「最後に…、ほら、あそこ。」

 鎖に繋がれた、野性を思い出すような男を色欲は指差す。


「…!憤怒ラースぅぅ!!!!!!!」


 鎦花は全力で走り、殴った。

 そして、襟をつかんで憤怒を立たせた。


「よう、久しぶりじゃねぇか。」

「なんで、殺した!優、くんを!!!!」

「思い出したのか、つまらねぇな」

 そういうと、憤怒は軽々と鎦花を振り払う。

 鎦花は後退し、構える。 


「野蛮人みたいじゃねぇかよ、俺が。」

『そんなわけなぁいよぅ、いけないのは君だお』


 肩にいるぬいぐるみがしゃべる。

「なん…で!!」

『僕らぁは悪くなぁい!君が能力を使いこなせばいいのぉ!』

「使い…こなす…?」

「原罪、か。珍しいな喋るの。」

『鎦花は僕ぅ、僕は鎦花だからぁ…ねぇ』


 クスクスとうさぎのぬいぐるみは笑う。


『難しすぎたかなぁぁ?

そろそろ帰りなよぅぅ、

怠惰(スロウス)と入れ替えにねぇぇっ!』

「え、まだ聞きたい事…」

『僕らはいつでも君の中にいるからぁ、大丈夫ぅ!』

「…!でも…!」

『早く行かないとぉ、君の友達が心配してるよぅ』


不気味に微笑んで、ぬいぐるみ改め原罪はゲートを作り、私をその中に放り込んだ。




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