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『あの日』死
メキャという嫌な音とともに、優は地面に振り下ろされた。
「ああ、くそ…。ダメだな。頭部破壊ぐらいはよゆーだと思ってたんだが…。」
“鎦花”は、ぶつぶつと呟く。
審判があわてて止めに入る。
「きゅ…救護班!!今すぐ救護班を!!」
同時に、“鎦花”は倒れた。
白い特徴的な髪は元の黒髪に戻り、優から受けた傷が全身に戻る。
それから。
救護塔の中は、すすり泣く声が響いている。
【七大罪】がやったことは、まだ能力を操れていない鎦花にはわからなかった。
「なにがあったの?負けたのは、あたしじゃないの…?」
と、ベットの上で聞く鎦花に兄達は何も答えられなかった。
ある日、リハビリがてら、散歩に出ていた鎦花に、優の母親が偶然会う。
会って一言言われたのは…
『ひとごろし』