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1974年  作者: yoten
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(初稿版)第六章・第三節:「北に戦争を起こさせろ」――OIAの導火線

マーシャル・プランは形になった。

黄金の潜水艦という幻から生まれた偽ドルは、欧州復興の名の下に洗浄され、世界経済に“正当な通貨”として流通した。

ドロスの笑みは深まったが、資金の供給元としての**“幻”は、やがて飢える。**


次に必要なのは、**再現性のある“麻薬的依存”**だった。

ただの紙幣では国家は回らない。中毒構造が必要だ。


ドロスが次に目をつけたのは――朝鮮半島北部。

敗戦時、旧日本軍が開発・製造していた高揚剤・鎮痛剤の工場が、ソ連の管理下で眠っていた。

その規模、立地、そして秘匿性。どれを取っても、麻薬経済の“聖地”として理想的だった。


だが、問題があった。


北緯38度線の向こうは、ソ連の影響下。

ヤルタ会談で“赤く染まった”この地に、OIAが直接手を伸ばす理由など、どこにもなかった。

いや、**“なかったことにしなければならなかった”**のだ。


では、どうする?


答えは単純だった。

「北に、最初の一発を撃たせろ」



そのためにOIAが仕込んだのが、「空白」という名の策略だった。

ディーン・アチソン国務長官の防衛線演説――

後に**“アチソン・ライン”**と呼ばれることになるあの一文は、最初から罠として設計されていた。


> 「アメリカの防衛線は、アリューシャン列島から日本、沖縄、フィリピンに及ぶ」




一見、何の変哲もない定型句。

だが、そこに韓国の名はなかった。


北朝鮮指導部は動揺した。

南を武力統一する機は熟した。

“アメリカは韓国に干渉しない”――そう、読ませるための仕掛けだった。


この“空白”を見せられたソ連は、半信半疑ながら北進の許可を出す。

中国は、まだ介入のタイミングを計っていた。

そして、1950年6月25日――北朝鮮軍が38度線を越える。


作戦名:「ECHO-REACT(回響作戦)」

目的:「北の手で戦争を始めさせる」


OIAの思惑は、完全に的中した。



こうしてアメリカは、国連の名の下に“防衛”として朝鮮半島に介入した。

戦火に紛れて、OIAは北部地域の“再建事業”に名を借りて工作員を送り込み、

旧日軍製薬施設を掌握。麻薬生産ルートを確立した。


> 「空白が火を呼び、火が煙を隠す」

ドロスは言った。

「それが、理想的な戦争の始め方だ」

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