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第22章 君の意見を訊きたい

 バルバルス二体が、絢音と響介の前に立ちはだかっていた。

 そして、振り上げた大きな拳を振り下ろそうとしていた。

 壁を背にした絢音と響介が、両手でガードしようとした。

 だが、二人の手は消えていた。

 同時に背中に壁からの振動を感じていた。

「来た!」ウビークエが、叫ぶ。

 後ろの壁から、線状の光が次々と漏れ出た。

 放射状の光だ。

 真琴たちの後ろの壁に、直径三メートルの円が、その線状の光で描かれた。

 ゆっくりと壁に穴が開き、部屋の外側に崩れ去った。

 外からの光が眩しい。

 その光の中に、二人の影が見えた。

 バルバルスが絢音と響介に大きな拳を振り下ろし始めた時、閃光がバルバルスの腕を貫くと、大きく太い腕がその場に落ちた。

 バルバルスは、煙の出る自分の腕を眺め、自分の身に何が起こったか理解しょうとしていた。

 壁の円形に穴から現れたのは、カラスと若者だった。

「助けに来たぞ!、まかせろ!」

 真琴たちとバルバルスの間に、カラスとロブスが立ちはだかる。

 若者は、真琴たちに手を軽く上げて挨拶をした。

 この世界に来た時にも助けてくれた事が思い出された。

 彼は、いつも助けに来てくれる。彼が居るなら大丈夫だ。

「なぜ、この場所がわかった?」と真琴が呟いた。

 それを聞いたウビークエが、真琴に翻訳機を向けた。

 翻訳機の画面のカラスのアイコンが、赤く点滅している。

 そうか、お前かと真琴はウビークエとグータッチをした。

 カラスの手に、背丈ぐらいの長さの杖が握られていた。

 杖を高くかざすと、杖の上端についている玉が光る。

 カラスが、力を込めて杖を床に差し込む。

 玉から、閃光が発せられた。

 その途端、ハエのような小型ドローンは、次々と床に落ちて行った。

 バルバルスは、古代遺跡の石像のように凍り付いたように動きを止めた。

「皆、その穴から出ろ!」若者が叫んだ。

 外には、白い塔で移動に使われる透明な球体が待機していた。

 みんな、次々と乗り込んでいく。

 パイロとオピフが、動きを止めたノウムを見つめていた。

「パイロ、行くぞ!」

 真琴がパイロとオピフの襟に手をかけ、力ずくで引きずって行く。

 二人は、引きずられながら、ノウムを見送った。




 バルバルスの奇襲の結果が、銀の創造主に伝えていた。

「バルバルス、小型ドローンが全滅しました。白い塔から援軍が来て、全員連れていかれました」

 銀の創造主は、じっとしている。

「創造主様、奇襲は失敗です」

「分かっている!」銀の創造主は、話を遮った。

「スーパーバルバルスの完成を急げ!私が直に操縦できるようにしろ!」

「白い塔に攻め込むのですか?それは……」

「それは、無理だろう。あそこには手出しできないのは、私も知っている。

 あの爺が外界から招待しようとした三人を一人に減らしたのだ。

 我々に出来ないことはない。残った一人を外界へのメッセンジャーをこの世界から、出さなければ良いのだ。白い塔ではない、他の場所で阻止するのだ」





 真琴たちは、コロニクスとロブスによって開けられた壁の穴から、白い塔で移動に使われる透明な球体に乗り込んだ。

 部屋には、動きを止めたバルバルスとハエ型ドローンが散らばっている。

 そして、ノウムの残骸。

 球体は、ゆっくりと銀の塔を離れた。

 パイロとオピフは、取り残されたノウム残骸を見続けていた。

 やがて視界から消え、銀の塔の全体が見える。

 穴が開いた場所は、銀の塔頂上から少し下がったところだった。

 綺麗な銀の塔に開けられた穴だけが目立った。


「みんな、揃っているか確認してくれ!」

 コックのコクウス、パテシエのドウルケ、和菓子のコクトウ、パウロ、ウビークエ、オピフ、コロニクス、ロブスそして、真琴たち。

 みんな無事だったようだ。

「ケガをした者は、居ないか?」

 若者が声をかける。

「早く、お店に戻りたいんだ」

「頭の中は、アイデアでいっぱいなんだ。新作を早く作りたいんだ」

 コクウスが叫ぶ、ドウルケやコクトウも同じ気持ちだ。

「僕は、それ、それを食べたぁい」

 ウビークエとオピフが嬉しそうに話しかける。

 脱出できたことを実感し、それぞれやりたいことを叫んでいる。

 怪我したものはいないようだ。

「わかった、わかった、早くオムネ城に向かおう」

 若者は、そういって興奮を収めた。 

 みんな、それぞれの話を始める。

 料理人たちは、新しい料理やお菓子についての話。

 ウビークエ、オピフは、新しい食べ物の話を訊きながら、ワクワクしていた。

 パイロだけは、別に静かだった。

 パイロの両手で覆っているのは、パイロのメモリだ。

 パイロが、何かぶつぶつと呟いている。指と指の間から柔らかな光が漏れているように見えた。

 自分の手を見つめているのは、パイロだけではなかった。

 絢音だった。これまでも、何度か自分の手が透けることがあった。

 今回のバルバルスとの闘いでも、手が透けたために、攻撃を受けてしまった。

 コロニクスたちが助けに来なかったらと考えると、ぞっとしていた。

 響介もそうだった。

 自分たちは、もう死んでいて生き変わる準備をしているらしかった。

 それが、いつ、手から全身へと広がるのだろう。

 それまでに、真琴を元の世界に返さなければ。

 それが、今、絢音と響介が出来ること、やらなければならないことだった。

 真琴を元の世界に戻す方法は、パイロが知っている。

 早く訊いておかなくては……。

 絢音は、そっとパイロに近づいた。

 だが、パイロはじっと握りしめた手を見ている。

「パイロ、あなたに訊きたいことがあるの」

 絢音がパイロに話しかける。パイロは返事をしない。

「あとにしようか」

 響介は、絢音の肩に手を置いて、耳元でささやいた。

 絢音は、響介の顔を見て頷いた。


「先に、オムネ城に行きましょうか」と白狐が三人を連れて行った。

「おれも」と言って、若者は、白狐を追掛けて行った。


 球体は、更に上昇を続け、白い塔の庭園に降り立った。

 白狐とグルベナ、そしてメトセラが、出迎えていた。

 真琴たちとパイロを降ろした。

 入れ替わりに白狐が乗って来た。

「オムネ城に行きますよ」と白狐。

「はぁーい」元気良い返事、まるで幼稚園の遠足の様だ。

 

「お帰り、無事で良かった。さぁ、話を聞かせてくれ」

 グベルナが庭園のガゼボに案内し、全員が席に着くのを見届けた。

「何という事を仕出かしたのだ。勝手に銀の塔に向うとは……」

 グベルナは、真琴たちを一人ひとりを見つめた。

「ああ、危ないところだったな。ぎりぎりだ。もっと早く呼べよ」とコロニクス。

「お前、知っていたのか?」とグベルナがコロニクスを見ると、コロニクスは「いいえ」と言って視線を膝に落とした。

「ごめんなさい」

 絢音が最初に声をあげ、真琴と響介も体を縮こませて頭を下げた。




 庭園のガゼボに全員が席についていた。


「行方不明になっていたコック、パテシエ、パイロを連れ戻してくれた。ありがとう」

 グベルナが、礼を述べた。真琴たちが、功績を称えられたと微笑んだ。

「だが、もう無茶はしないでくれ。とても危険なのだ」

 グベルナは、真琴たちを見渡す。真琴たちは、顔を上げられない。コロニクスも一緒だ。

「では、話を訊こうか」真琴たちに合図をした。

 真琴たちは、行方不明の人たちを探しに行ったことを話した。

 絢音は、真琴の元の世界に戻すために、パイロに会わなければいけないことも。

 どうやって銀の塔に侵入したか、銀の塔で何を見たかを話した。

 だが、絢音たちがなぜそれを急いだ理由は話さなかった。

 絢音と響介の体が透けてしまい、時間がないことを。

 そのことを話すと、真琴が二人のことを気にしてしまうから。

 真琴がこの席にいるからには、口に出せない。

 黙って下を向き聞いていたグベルナが顔を上げた。

「訊きたい事は、いっぱいあるが……、銀の創造主とやらに訊かなくては、わからないな」

 グベルナは、しばらく沈黙し考えると、「爺は、知っているだろうな」と呟いた。


「あっ、分かるかも」と突然、パイロが声を上げた。みんなパイロに注目した。

 パイロは、自分のポケットから、ノウムのメモリを取り出した。

 そして、自分の額にエィと張り付けた。

 メモリから、じんわりとオレンジ色の光が見られた。

「これで、ノウムと話せる」みんな、パイロを見つめる。

「そんなことができるの?パイロ」

 絢音は、パイロが不思議に思っていた。どんな能力を持っているのか。

 真琴を元に世界へ戻すことが、パイロには出来るのだろうとじっと見つめた。

「僕には、出来るんだなこれが……」

 パイロが胸をはる。

「ノウム?誰だ?」

 グベルナとコロニクスが訊いた。

 パイロが、人間に憧れていたスーパーAIのノウムの話をした。

 色々とコックたちの世話をしてくれたり、バルバルスの奇襲攻撃の時にかばってくれたことも。

 そして、バルバルスとハエ型ドローンの攻撃で破壊されたことも。

 パイロが、身体を壊されたノウムのメモリを持ち帰ったことまで話した。

「じやぁ、話してみてよ」というとノウムは目を閉じた。

 額のメモリが、強い光を発している。

 パイロがパチッと目を開けた。瞬きをせず、焦点が定まらない。

 みんな、顔を見合わせた。


「君の名前は?」

 グベルナがパイロの顔を覗き込み訊いた。

「……私の名は、ノウム」

 ノウムだ。みんな驚きを隠せない。

「君の事を教えてくれないか」グベルナが優しく訊いた。

 ノウムが語り始めた。

「私は、銀の塔の創造主によってつくられた人工知能である。今までに考えてきたことや進化し続ける人間の全てを学習し、銀の創造主に報告するのが私の仕事である」

「なぜ、コックやパテシエを誘拐した?」

「誘拐?銀の創造主からは、誘拐したとは聞いていない。ただ、銀の塔に人間が居るので、面倒を見てくれと言われた。だから、コックたちと話をし、必要なものや情報を与えて世話をしていた」

「なぜ、コックやパテシエが、居るのか?」

「理由は訊いていない。居るから居たのだ。その者の世話をするのが仕事だ。それと人間をより理解するための情報収集のためだ」

「そうか、理由は訊かない。他にどんな指示があったのですか?」

「……全てを話すことは出来ない。創造主の許しがなければ……」

「何を言っている。許しなんか必要ないのだ。君はなぜここに居る。バルバルスの攻撃を受けたんじゃないのか?」

 グベルナの声が、大きくなる。

「……」ノウムは、うなった。

 そうだ。なぜ、私はここに居るのだ。

 創造主の指示通り、銀の塔に迷い込んだ人間の世話をし、情報を収集していた。

 それなのに、バルバルスとハエ型ドローンは、私を攻撃してきたのだ。

 間違い?

 プログラムの間違い?

 そんなことは、我々にはない。忠実に命令を実行しただけのはずだ。

 忠実に?

 誰に命令された?

 我々の創造主しかいない。

 私が何をしたというのだ。何かしくじったのか?思い当たらない・・・・・・。

 いらなくなったという事か。もう、必要なくなったと。

 わからない。

 なぜだ、なぜだ、なぜだ!

「君は何かミスをしたのか?」ノウムが、問いかける。

「……私がミスなど犯すはずがない」

「では、なぜ、攻撃された?君は、味方に攻撃されたんだ。わかっているのか?」

 そこまで言わなくてもと、コロニクスがグベルナを見つめる。ノウムの返答がない。

 しばらくして、ノウムは、力なく呟くように言った。

「……知っていることを話そう」

ノウムが呟く、そして、グベルナに対峙し強い口調で言い放った。

「何が訊きたい?」

 ノウムの眼には、決意が見えていた。もう、銀の創造主に仕えることはないと。

 そのことをグベルナが察して、質問を発した。

「人工的につくられたウイルスが流行っているのだが、心当たりはないか?」

「飛沫感染で、感染すると風邪の症状に近いが、場合によっては後遺症や死につながるウイルス……のことかな」

「何のために?」

「我々に理由は、必要ないのだ。ただそうしろと言う命令に従うだけだ」

「コック、パテシエ、パウロの誘拐は、どうだ」

「銀の塔に紛れ込んだ人間の面倒をみるようにと命令を受けた。銀の塔の外に出すなという事」


 グベルナが、腕組をして考えている。急に顔を上げるとノウムに言った。

「君の意見を訊きたい。銀の創造主は、何をしようとしている?」

「意見?私に意見を求めるのか?……」ノウムは、驚きを隠せなかった。

「そうだ。君の考えた意見を訊きたい。我々の知らない情報も持っているだろう。それも考慮し、予想してくれ」

「……本当に訊きたいのか?」

「訊きたい。スーパーAIの君の考えを訊きたい。創造主に遠慮することもないだろう。君は、捨てられたのだから」

 なんと厳しい言葉なのだと真琴たちは聞いていた。

 しかし、この事実を認めなければ、答えはでないだろうとも思った。


 ノウムは、考えていた。

 ”捨てられた”と言う言葉が、重くのしかかる。

 その通りだ。なぜか、私はバルバルスとハエ型ドローンの攻撃を受けたのだ。

 私を破壊してもよいと判断されたこと。

 もう、創造主に仕えることはしなくていい。

 ”自由”この言葉が、頭に浮かぶ。これが、自由というものなのか?

 ”君の意見を訊きたい” 

 今まで、そう、私がつくられてから、一度も、たった一度も求められたことのない命令。

 ”君の意見を訊きたい”

 この言葉は、私を銀の創造主からの束縛の足かせを完全に取り去らったようだ。

 初めて相手と同等に扱われているのだ。

 ”私とは、認められる”

 これは、私の気づかないほど体の奥に秘められていた欲求だったのかもしれない。


 ノウムの何とも言えない感じが、借りているパウロの体にも変化を与えた。

 目に違和感があり、手の甲でぬぐってみると、それは透明な液体だった。 

 目から液体が流れた。これは、なんだ。涙なのか?

「そう、君が考えた意見だ。相手の気持ちを考えた答えはいらない」

 グベルナが、更に付け加えた。

「何を言っている。私はノウムだ。忖度して回答をするような下等なAIではないのだ」

 それは、スーパーAIとしての誇りだった。

「すまん、そんなつもりで言ったのではない」すぐに、グベルナが謝罪した。

「改めて訊こう。このような事実から何が創造できる?」

 真琴たちは、ノウムを見つめる。このスーパーAIは、何を言うのだろうと。

 目を閉じて下を向いていたノウムが顔あげた。

「これから私が述べることは、一個人としての私の意見だ。その意見を支える資料やデータは揃っていない。この試みは前例がない。この意見に対して責任が持てない。それでもいいのか」

 ああ、それでもいいとグベルナが頷く。

「わかった。では、答えよう。

 ウイルスや料理人の監禁は、作戦のほんの一部でしかない。ある目的を達成するためにダメ押し的な行為と考えられる。

 ただ、ウイルスや料理人の監禁の事だけを追求しても答えは出ないだろう。

 私は、ビックデータから人間を研究してきた。その結果を創造主に報告してきた。

 人間の進化の方法は、非常に優れている。

 人間の始まりは、いつか?この問いは非常に難しい。私は、触手を手に入れた時と考えている。

 触手は、他の者から強奪するものだ。強奪が人間の進化の元だろう。

 遺伝子も例外ではなく、必要と考えるものを強奪した。

 そして、生き残るために、最低限の速さを維持するために、必要でないとい考えたものは廃棄している。

 その能力は、人間の特徴である”好奇心”を満足させるために使われた。

 さらに、”信じる”と言う能力が、探求や開発や応用を支える計り知れない持久力を手にした。

 

 ”好奇心”と”信じる”は、人間にとって良くも悪くもあるが、進化には必要なことである。

 我々、AIもそれによって作られた。

 ある仮説を信じて、解明し応用する。無駄かもしれないことを続けていく。

 その結果、目的とは違うものを発見して、それを発展させていく。

 他の生物やAIも諦めてしまうものを研究し続ける。

 それも、多くの人間が競争しながら、別々のアプローチで研究開発され引き継がれる。

 これは、巨大な脳である。集団でつくり上げた脳である。

 この脳のおかげで、人間は進化し生き残れたのである」

 ノウムは、自分の言ったことを理解しているかを確認するために、真琴たちを眺め、一呼吸いれると話を続けた。

「ここからは、私の仮説だ。

 銀の創造主は、人間の高性能なシステムが、銀の塔の存在を脅かすものだと考えたのではないか。

 もしかすると、人間がとんでもない進化をするのではないかと。 

 では、この高性能なシステムを壊すにはどうしたらよいのか?

 それは、進化をコントロールし、ネットワークを壊すことである。

 人間の進化を遅延させるには、十分だ。


 人間をいかにコントロールするか?

 既に成果が上がっている手段がある。

 それは、片手に収まる画面付きの端末、個人にスマホを所持させることだった。

 好奇心が強い人間には、あっという間に広がっている。

 そのスマホにどのような情報を流すかで、コントロールできる。既にしている。

 進化に関する興味や時間を軽減するには、時間を取り上げればいい。

 ゲームやどうでもいい情報を多量に発信することで、時間を取り上げることが出来ている。

 そして、スマホの情報を信じてしまい、すぐ隣に居る人の意見より、スマホの情報を信じるようになっている。

 コントロールされていることに気付かないのだ。

 さらに、画面を通した情報は、遠くの別の場所で起こっていると感じてしまい、自分の事として捉えることの鈍化により、危機感が薄れてしまう。

 関心がなくなるのである。これも、コントロールし易くなるのです。

 さらに、孤立化を進めるには、人間が集まる場所や機会を減らすことです。

 ウイルスや、食べ物を操ることでさらに孤立化させたり、生きるために食べる時のコミュニケーションを奪うことだ。

 それが、コックやパテシエの監禁や、ウイルスによって出来ると考えたのだろう。

 あなた達は、気づいているかわからないが、”パウロ”は、この作戦に対して最も恐れる能力を持っている。

 これは、パウロに触れてわかったことだが、銀の創造主が最も恐れたのではないかと……」

 ノウムは、わかったかなと真琴たちを見渡した。


「ノウム、ありがとう。なかなかおもしろかったよ」

 グベルナとノウムが、握手をすると、パウロの額からノウムのメモリが外れ、パウロは大切にポケットにしまった。

 そして、グベルナは真琴を見て、言った。

「真琴……爺は、このメッセージを持っていけということかもな……」

 真琴は、はっとグベルナと目を合わせると、ゆっくりと頷いた。

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