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こどものあそび  作者: 水乃戸あみ
28/46

第28話 イス取りゲーム

「足元に気をつけたまへ、空穂特派員」

「あいあいさー」

 木で出来た階段は板を繋げたような感じで、非常階段とかでよくある向こう側に穴が開いてるやつだった。一歩進む度にぎしぎし鳴るから、二人いっぺんに乗らないで分かれて進む。

 ライトは一個しかないから後ろから千真ちゃんに照らしてもらって。

 少しだけ頭上から差し込んでいる光も頼りにして、前へ前へと這いつくばって進むと見えてくる天井裏。おネズミさんこんにちは。なんてことはない。

 下を見る。扉をスライドさせるための溝がある。千真ちゃんがライトで照らすと、横っちょにぶっとい鉄扉が収まっていた。

 秘密基地っぽい!

「どう?」

 千真ちゃんがすぐ後ろまでやって来て言う。

「わかんない。むわっとしてる」

 天井裏はわたしたちの腰くらいまでの高さしかなかった。思ってたよりも埃っぽくはないけれど、下は砂っぽくてざらざらしてた。

 真っ暗ってわけでもないけど、やっぱり明かりはほとんどない。下から見えてた明かりの源はけっこう向こうにあった。真っ直ぐ行った先の、そのまた向こうの角から漏れてくる光。

 そして、死ぬほどあっちっちっち。むわむわーっとしてる。

 すぐ真上にある直射日光がそのまま屋根をすり抜けて、わたしたちに直接当たってる感じ。風が吹かないから屋根の上に居た方がマシかもしれない。

「行こう」

「うん」

 あそこを目指して。

 光を目指して。

 中腰で進む。下が廊下なんだーって思うとちょっとおかしい。天井が床。あ、でもそれってわたしたちの住む団地と同じなんだ。でも、ここの床は薄そうだ。床が抜けたらどうしよう? でも、骨折ってしたことないから一回くらいはやってみたいなあ。でも、危ないかなあ。でも、この姿勢じゃ走れないかなあ。ふう。暑いなあ。焼き肉になってる気分。

 角を曲がった。

 天井裏の道はそこで終わってた。

 壁。目の前に壁がある。五メートルくらい進んだ先は、木の板で塞がれていた。

 明かりの元はその上にあるみたいで、壁の方に近寄ってみると、嵌め殺し式の小さな丸い窓が屋根にあった。変な場所に意味不明な窓。けれどその下、丸い光の中心には銀色の手のひらサイズくらいの箱が置かれていた。手に持ってみようと触れてみるもあまりの熱さに手を引っ込める。鉄だ。日光に焼かれて熱くて持てない。タンクトップの裾で持って、やっとこさ。

「なにそれ」

「鍵付いてるよ。あつー」

「金庫っぽいね。番号式か。空穂、その辺にヒント一緒に落ちてたりしない?」

「うーん……」

 金庫の鍵部分にはデジモンくらいの小さなディスプレイが付いてて、そこに触れると1~9までの数字が現れた。箱の上にちいちゃなソーラーパネルっぽいやつが付いている。試しに1111と入力してみる。でっかく×マーク。ででーん。音でっか。

 ひっくり返してみる。かこん、と音がした。中に何か入ってる。音的にちいちゃい物だと分かる。

 窓を見上げてみる。何もない。正面を見てみる。何もない。床を見てみる。何もない。

「空穂、そこさ。下と同じく猫扉みたいになってたりしない?」

「ないねえ……」

 ぱかぱかぱかぱかアルパカー……とはなんない。

「そっか……あーあっつい!! 限界!! 戻ろう空穂!!」

「あいさー……」

 こんなとこいたら死んじゃうよ。

 狭い通路の中、とてててと体の向きを変え――たところで、気付いたのはおんなじタイミングだった。

 わたしたちの真横、向き的には館の内側。壁に四角く切り取り線があった。マイナスドライバーが入りそうな穴も発見。たった今下で見てきた物と随分似ている。

 千真ちゃんと頷きあう。持ってきてなかったから、千真ちゃんが爪を使ってなんとかこじ開け、壁の蓋をぱっかりんこ。

 中から現れたのは予想通り、下と同じデザインの赤いボタン。縁には黄色と黒のチェック。文字は、

『②&Ⅰ』

『Andy Warhol』

『DANGER!!』

 と、書かれてあった。


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