表世界
突如起こらない……とは限らない。
轟音。
炎上。
崩落。
悲鳴。
突如、世界は”終わり”を迎えた。
近代的な文明社会とはあまりにも不釣り合いな、異様な”怪物”たち。
空を舞う、無数の”炎の怪鳥”。
舗装されたアスファルトの道路には、蠢く”溶岩生物”。
昼間だというのに、異常なほど黒い雲が日の光を通さない。
そして、黒雲から降り注ぐ炎が建物を──街を破壊する。
皮肉なことに、崩壊した街を彩るのは、街を燃やす炎の色と、怪物たちの炎の色のみ。
…………………………
当時、小学生だった俺は、今でもその光景を鮮明に覚えている。いつもどおりの学校生活。その日も、ほかの児童と共に授業を受けていた。
事が起きたのは昼休みの時間──。
明るい声が響く校舎内に、未だかつて体験したことのないほどの轟音が響いた。そして、俺を含めたほとんどの児童が窓に飛びついた。
その光景は、校舎に居る誰もが──いや、街に居る全ての人が見たことだろう。
────天から伸びた青白い巨大な光の柱が──建物を貫き──破壊している光景を──。
誰もが唖然と、その光景を眺めていた。
そして、その光の柱がゆっくりと萎んでいき、線となって消えた時──先程よりも更に大きな衝撃が校舎内に響いた。
傾く校舎。落ちる天井。割れる窓。抜ける床。崩れる壁。谺する悲鳴。
初めて、落下というものを味わった。
落下の合間、壁が崩れ剥き出しとなっていた外を見ると、先程の青白い色合いとは対照的な、オレンジ色の炎が降り注いできているのが見えた。
だが、その光景に驚く間もなく、崩落する校舎の残骸と、ほかの児童と共に、落下した。
…………………………
運良く瓦礫に潰されなかった俺は、瓦礫の隙間からなんとか外へ這い出た。しかし、外へ出た俺は自分の目を疑った。
崩れ、燃え盛る街並み──。
見たこともない怪物たち──。
その現実離れした光景に、恐怖を通り越して、ただ呆然とすることしかできなかった。
落下した時、頭をぶつけたのだろうか。額からは、血が流れていた。
…………………………
これがおよそ、”10年前”の話。
“表視点”




