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9.帰宅

題名を変えようかと思案中です

リズが別宅に戻ったのはすぐの事だった

別宅には仮の両親がいたが彼らを思って帰ってきたということではない

彼らはリズにとって侍女と執事である

彼らも仕えるべき主という認識しか無かった


リズは疲れ切っていた

周りを気遣う余裕もなかった


それからすぐにリズは辺境を出ていった

イサークとともに


イサークは王都にすぐに連絡を飛ばし許可を取り付けた

未来の王子妃の護衛をしたいので視察を中断したい

その連絡に対する答えは、無事に送り届けるようにというものであった


王都までの道のりは5日ほどかかる

同席者は他にはおらず2人での旅になった

馬と御者は旅の間に入れ替え予定で数人に頼んだ


旅が始まって1日目と2日目はリズは無表情で何も語らなかった

なにかに吹っ切れたように語りだし笑顔になったのは3日目からだった

それでもイサークの目には無理して笑っているように見えた

しかし無表情の彼女よりはいいと追求することは無かった


そうして5日目の昼、ゴトゴトと言う音が止まり、ヒヒンと馬の声が聞こえ、とある屋敷に着いた


リズが幼少期を過ごした場所である

迎えには3人の人影が見えた

侍女のミーナとダイヤ、執事長のマノロである

3人ともリズにとって懐かしい顔であった


「ただいま帰りました」

「お帰りなさいませ!」


侍女の2人は涙ぐんですらいたがリズは少し笑みを浮かべるに留めていた

執事長を見るとリズは問うた


「お祖母様はいますか? お話があるのだけど」

「ご在宅でございます。すぐに連絡致します」


イサークにその場で別れの挨拶をするとなんの未練もないかのようにその場を後にした

イサークも表情に出すことなくその場を後にした


数分後リズは書斎にいた

祖母がそこにいたからだ


「おかえり、リズ」


優しい笑みがリズを包む

リズも少し笑みを浮かべると礼をする


「ただいま帰りました、少し……お話よろしいでしょうか?」

「良いでしょう、何かありましたか?」


真剣な目になる

優しい祖母から厳格な当主の顔になる

それでいいのだとリズも真剣な顔をし言葉を綴る


「いっく……、ミラモンテ子爵令息に伺ったのですが僕には婚約者がいると」


ミラモンテとはイサークの家名である

イサーク・ミラモンテというのがイサークの本来の名である

ミラモンテ家は貴族では下位にあたるが歴代の当主は真面目で信頼のおけると評判であった


「そう聞いたのですね、おりますよ」


否定して欲しいと願わなかったと言えば嘘になるがもう諦めていた

だから冷静に聞くことが出来た

そして諦めた笑みを浮かべると本題に入った


「僕、いえ、私に行儀作法の家庭教師を付けてください、もう女に戻り婚約に備えたいと思います」

「15まで自由にと先方には許可をとってますよ?」

「私にしたいことはありません、全て終えてまいりました。だから大丈夫です」


少し祖母は考える仕草を見せたがすぐにリズを見つめると頷いた


「いいでしょう、それを望むならば口の固い家庭教師をつけましょう……デビュタントは遅らせる予定でしたが15になったらすぐの予定で厳しく参りますよ。3日後には家庭教師も探せるでしょう、それまでに旅の疲れを癒し、屋敷の配置を覚え直すといいでしょう。そんな疲れた顔をしていては私も屋敷のものも心配ですからね」

「ありがとうございます」


礼を取ると祖母は苦笑しカーテシーの仕方も覚えるとしましょうねと当主の顔から祖母の顔に戻り言った


部屋に帰るとベッドに腰掛けた

思い残すことがあるとすればテオバルトの事だが今となってはどうしようもない

せめて置き手紙でもと思いはしたが出ていく直前のテオバルトの様子は厄介者を押し付けられて困っているという様子だった

だからこそ辞表を書くことにも躊躇はしなかったわけではあるが、優しかった彼を思い出すと申し訳なさを覚えるのも事実だった


否定するように首を振るとベッドに仰向けに転がる


「僕はもう……どうでもいいんです、疲れてしまいました」


そういうと目を閉じた


こうしてリズは令嬢に戻る決意をした

見て下さりありがとうございます

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