20.お茶会が始まる前に
熱中症になってしまい先日は更新出来ませんでした
すみません
後遺症は残ったが大きな障害ではなく多少の運動障害で済んだのは運が良かっただろう
蛇が出たことで庭への立ち入りは一時的に封鎖された
紛れ込んでいた蛇は全部で2匹居たようで無事駆除された
その知らせを受けてリーゼロッテは息を吐いて皆に被害が出なかった事に胸を撫で下ろす
このように穏やかな気持ちになれたのはベルドリオのおかげだろう
知らせの手紙をテーブルに置き、刺繍を再開させる
王家のシンボルをチクチクと刺繍していく
ベルドリオにお礼の品としてハンカチを贈ろうと思い購入したベージュの記事に銀色の糸は映えた
彼を思うと自然と穏やかな気持ちになった
(リジー……か。パパ、ママ……リーゼロッテは前に進みます)
幼い泣き虫の自分を撫でて両親に報告する
数日後のお茶会はティールームになるようだ
蛇騒ぎのあとということもあり一応の安全は確保された庭より室内の方が心穏やかに参加出来るという配慮の元だった
刺繍をする手を止めると想いを馳せる
穏やかなその気持ちが何かに成長しそうでリーゼロッテは怖かった
彼は仮の婚約者を探していた
野に降りたいとも言っていた
それは自由になりたいという事だろう
第3王子の身分を捨てても公爵家と続けば権力はついてまわる
リーゼロッテは想いが成長する前に蓋をすることにした
イサークの時のように拒絶されたら今度こそ心が壊れてしまう
ベルドリオと友人関係を築けるならそれがいい
まだ気持ちが成長していない今が自分たちの関係はいいはずだ
再び息を吐いて刺繍を再開させた
(ルド……なんて呼び方を許されるなんて、あの人も罪な人ね。私じゃなければ勘違いしてるわ)
そんな口に出せない想いが少し悔しい
数日はすぐにすぎた
リーゼロッテはラッピングしたハンカチを持って城内を案内されていた
貴賓室に行く前に第3王子に1目お目通り願いたいと言うと許可されたので彼の執務室に案内された
「リーゼロッテ穣よく来てくれた、護衛は下がっていい」
そういうとリーゼロッテだけ室内に案内された
補佐官は資料を取りに行っているらしく部屋には2人だった
「ルド様、ごきげんよう」
「様なんていらねーよ。リジーはもう体調いいのか?」
「ええ、お陰様で」
カーテシーをすると彼は微笑んだ
「良かったよ、ところで用事があるんだろ?」
「用と言うほどではありませんが、こちらを」
ラッピングしたそれを差し出すとベルドリオは虚をつかれたようにそれを見る
「刺繍したハンカチで大したものではないのですが、あの日の私に必要な思い切り泣くということをさせてくださったお礼です」
「いや、お礼の品って、そんな大したことしてねーのに。でも、うれしい。さんきゅーな、リジー」
受け取ると照れくさそうに笑うベルドリオが可愛くてリーゼロッテも微笑んだ
「では執務のお邪魔になるにで、また後ほど、そのルド、無理はしないでね」
ルドと呼ぶのは少し照れくさかったが嬉しそうなベルドリオが見れたので良かったことにする
貴賓室に案内されるかと思ったら既に準備ができているとティールームに案内された
セレスティアとべリュークが歓談していて、少し変な組み合わせと思ったが王子であるべリュークより遅れたことを詫びる
「おふた方、ごきげんよう。遅れましたこと謝罪致します」
「いや、俺が早く来ただけだよ。リーゼロッテ穣」
「ごきげんようリーゼロッテ様」
穏やかな表情を見るとほっとする
事件が続いてることもあって護衛は緊張しているが穏やかな時間も必要だと思うからである
「リオは……あ、弟のベルドリオのことだけど、すぐに来ると思うよ」
「かしこまりました」
さっきまで会ってましたとは言えず返事を返す
「少し座って待とうか?」
4つの椅子がテーブルを囲んでいたのでそこに座る
セレスティア、べリューク、リーゼロッテの順で座る
「リーゼロッテ穣には済まないことをしたね、王家を代表して謝罪させてくれ、すまない」
頭を下げるべリュークに慌てて首を振る
「お、おやめ下さい。大した障害もなく痕ももう綺麗になりました、皆が無事で私は胸を撫で下ろしたのです」
頭をあげた第2王子は困ったような顔をしていた
「優しいリーゼロッテ穣には感謝しかない。この礼をどうしたら返せるのだろうね」
いいですから、でも礼が、と言っているとベルドリオが来てくれた
「リュー兄貴、リーゼロッテ穣、セレスティア穣、お待たせしま……って2人で頭下げあって何を?」
「リオ、遅かったね。って人前では兄上と呼ぶように言っておいたのにまったく」
「無理言うなよ、で、なんの話しを?」
こうして見ると二人の関係は良好のようだった
リーゼロッテは気がついていなかった
セレスティアの顔がくもっていたことを
こうしてお茶会は始まった
お読み下さりありがとうございました




