不良騎士テオバルト
ヒーロー目線です
12歳の時に騎士見習いになり、14歳で騎士に採用されたものの素行不良により騎士見習いの相手ばかりを申し使っていたテオバルトはその日も女に会いに行っていた
テオバルトは天才と持て囃され、数ヶ月前までは真面目な優等生であった
しかし見てしまったのだ
本物の天才というものを
テオバルトにとってはそれは耐え難い出来事であった
今までの自分を否定されたような気がして迷走し、落ちぶれていった
女に溺れ、遊び歩くことの楽なこと
楽しいのか、そうしたいのかも分からない
ただ落ちていった
数回の注意を受けた後に転属になった
まだ見習い寮にいるのだから丁度いい
そんな言葉と共に押し付けられたのは見習いのお守りである
「不運なやつ……まぁ知ったこっちゃねーけど」
2年も騎士見習い試験に落ち続けやっと合格も将来性のなさからすでに見限られて監督生すら匙を投げたという最底辺
テオバルトの同室になり、彼に師事を仰げという言外のリストラ通知を受けたのはリズという名の14歳の男らしい
そいつが来るらしいのは今日だと言うのにテオバルトには歓迎の意識はなかった
そもそも興味がなかったのだ
「なにもかもつまんねーな……」
ただ日々を過ごすことにテオバルトはなんの意味も感じ取れなくなっていた
だけども真剣にして、手折られた自身のプライドの傷は思ったよりも大きかった
それは気まぐれだった
ただ暇だったというのもあるかもしれない
夕刻に部屋に戻った
ガチャ、キィーと扉が音を立てる
そしてそれを見た瞬間テオバルトはポカンとあっけに取られた
「え、お、おんな???? え、いや、女だよな?」
そんな発言とともに
リズにとっての不幸はテオバルトが女慣れしてしまっていたせいですぐに女とわかってしまったことである
しかし寝てしまっていたリズはまだこのことを知らず、テオバルトにある程度の知識があったことが幸いした
テオバルトにとっては騎士学校の辛さは大したものでは無いが、女には辛いから淑女学校の騎士コースが出来、女騎士と騎士には大きな差があるのは知っていた
だから彼女が何故騎士学校に居たのかは分からないがその苦労は計り知れないとわかってしまった
そして聞いてしまった
「むにゃ……きしに、なります。ぼく、がんばる……だから、認めて、ください」
そんなリズの一途な思いを寝言で聞いてしまい一瞬悩んだがリズから視線を逸らし自身のベッドに腰をかけ綺麗な銀髪をかきあげた
「みとめて、か」
数ヶ月前の自分を思い出して大きなため息をついた
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