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15.王族2

不定期更新になるかもしれませんが頑張って書きますのでよろしくお願いします

扉が開かれ入ってきたのは騎士服を着崩した見知った青年だった


リーゼロッテは彼がなぜここにいるのかわからずぽかんとしてしまったが着崩した服で来たことへの驚きと捉えられたらしい


「ベルドリオ・カバニーリェス呼ばれたので参上いたしました」


口調だけは丁寧だが態度は面倒だと言うのを隠そうとしていない


(ベルドリオ……?)


リーゼロッテの中で疑問が増える

彼が第3王子と言うのはあまりにも酷いと思った

彼は自由にするべき人だ


銀髪をくしゃりとかきあげた彼をリーゼロッテは知っている


リーゼロッテだってリズからの変化を苦しんだ

悲しんだのだ

それを理解してくれた唯一


テオバルトがそこにいた




「リーゼロッテ嬢にセレスティア嬢、初めまして。ベルドリオです」


ベルドリオ、そう自己紹介した彼は少し気まづそうだった


「リーゼロッテですわ、お初にお目にかかります」


今度は自分がテオバルト、否、ベルドリオを支えなくてはと思い笑みを浮かべ返事をする

ベルドリオはその様子になんとも言えない表情を浮かべたがそれは一瞬で誰かに見咎められることはなかった


「セレスティアですわ、ベルドリオ様よろしくお願い存じます」


セレスティアの声にリーゼロッテはベルドリオから視線を外した


「2人にはベルドリオの婚約者候補となってもらいたく来てもらった。ベルドリオわかっておるな?」


ベルドリオは息を吐くとはいと小さく返事をした


「ここでの会話もいいのでしょうが、おふたりを舞踏会までの待ち時間に散策へと誘いたいのですがいかがでしょうか?」


ベルドリオの前向きな発言に王は期限を良くする


「若いもの同士いいではないか、のぅ王妃よ」


王妃は控えめに笑みを浮かべ頷いた


「リーゼロッテ嬢にセレスティア嬢、良ければ御付き合い願えますか?」


笑顔で答えるとセレスティアも頷く


「では参りましょうか」


長い廊下に出ると彼はセレスティアに声をかけた


「セレスティア嬢お気分が優れなければ別日に散策でも良いですよ? 部屋を用意させますので舞踏会までおやすみください」


その言葉にセレスティアは困惑した様子だったが何度目かの顔色が優れないと言う言葉に従うことにしたようだった


「リーゼロッテ嬢、2人になりますが護衛も居ますゆえ良ければ御付き合い願えますか?」


その言葉に笑みで返す

ベルドリオは満足したように頷くと内庭に案内してくれた


「綺麗な薔薇園ですね」


色とりどりの薔薇を見てそう言うと取っておきの場所があると案内をしてくれる


「ここは王族しか入れないのだが……」


そういうと護衛に目配せする

付かず離れずを守っていた護衛が1歩下がる


「特別だよ」


口に人差し指を当てて秘密だと合図する

その表情がいたずらっ子の笑みで、テオバルト時代を彷彿とさせた


王族の庭園と言うだけあって内庭とは比べ物にならないほど整っていた

見慣れない花もいくつか点在した


充分護衛と距離を取ると口元を手で隠しベルドリオは声を出した


「リズ、驚かせたよな? 俺が王子って柄でもねーし……あ、喋る時は少し口元が見えねーように俯いてくれ。声は届かねぇだろうが、口を読まれると困るからな」


俯きながら小さく口を動かす


「ベルドリオ様は私を認めてくれた人です。だから……僕は君を否定しない」


その言葉にベルドリオは驚きを隠さなかった

その後子供のような笑みを浮かべた


「リズ……いや、リーゼロッテ嬢と呼ぶべきだな。前に話しそびれたことを話したい」

「ええ、聞きます」


真剣な眼差しに言葉を待つ


「ラン兄貴……ベランド王太子が亡くなった事に第2王子は関与してねーのは知ってるな?」


頷くことを返事とするとベルドリオは続けた


「そもそも兄貴たちは数日しか誕生日が違わない、理由は知ってるか? ……知らねーか。王妃は少し体が弱くてな、成婚後に熱を出して妊娠しにくくなって、なかなか子に恵まれなく側室を推す声が多くなり断りきれなくなった王が側室である第2妃を受け入れた。しかしその後同時期に2人に子ができる。それがラン兄貴とリュー兄貴……ベランド王太子にべリューク第2王子だ」


それは少しややこしい事だと思った

祖母に王位継承問題が落ち着くまで女であると隠したかったと聞かされたことを思い出した

オンディビエラ家は王家に継ぐ権力者である

そのため幼い孫が婚約者という政略のコマにされるのを避けるために考えたのが性別を偽ることだった


「王位継承問題で王妃と第2妃が諍いを起こすようになり王は疲弊して占い師に答えを求めるようになった。そこで見つけた占い師の少女に王は癒しを求めるようになり、1年後少女は男児を産んだ。それが俺だ。」


それは公にされていない事実だった


「俺の存在は王妃と第2妃に危機感を覚えさせた。寵姫の子を王位継承させるというのは世間的に悪くともある話だからな……それで王の心を戻すために2人は表面上仲直りをした。王は2人が納得してくれるならと生まれた順番に王位継承権を与えることにした。第2王子のリュー兄貴にも、第3王子である俺にもな」


苦虫を噛み潰したような表情を見せたベルドリオにリーゼロッテは心配する

しかしすぐに真剣な表情に戻る


「第2妃の実家は侯爵家だが力はある、もしもリュー兄貴が王位を継げばそれは公爵家に匹敵するほどだ。第2妃が関与しているかは正直分からないが、リュー兄貴がラン兄貴を殺すはずねーんだ。理由ってほどではねーけど兄貴たちは協力したいと常々話していた。ラン兄貴が王位を継ぎ、リュー兄貴が筆頭補佐官、宰相を務めるって言っていた。2人はそのために分担して勉強もしていた。俺は2人が気兼ねなく王家を運営できるように騎士になって守るなんて言ってた。」


なのにと言ったあと彼は黙った

リーゼロッテも声がかけれずしばらく2人は黙っていた


「それでも、ラン兄貴が居なくなっても、リュー兄貴が意志を受け継げばいいと俺は思ってる。何も知識のない俺が王になっても後ろ盾もない俺じゃ傀儡にされるだけだ。リュー兄貴の後ろ盾も危うくはなってるが知識は力だと思うし、俺が王位を継ぐよりいいと思うんだ……だからリュー兄貴に王位継承権を放棄させず俺が王位継承権を放棄しようと思ってる。リュー兄貴の気持ちが変わるまで俺には時間が必要だ。ただ王太子にはなれない、俺にその気がないからな。王子ってのも柄じゃねーからいつか野に下るつもりだったし。だからこの話を踏まえた上で協力してくれる婚約者がいるんだ、リーゼロッテ嬢、こんなこと言うのは失礼だが……俺に協力して婚約して欲しい」


強いと思った

彼は兄を愛していたのにその死後前に進んでいる

そして自由を求めるのに投げ出さずにいることも強さだと思った

リーゼロッテは困ったというポーズを取る


「だめ、か?」


ベルドリオは泣きそうな顔で問う


「リーゼロッテ嬢は皆の前だけ。そう約束してくださるのなら良いことにしましょう」


イタズラが成功したように微笑むとベルドリオも笑みを浮かべた


「おぅ! ありがとう、リズ」


読んで下さりありがとうございました

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