13.認めてくれる人
予約出来てませんでした……すみません
お嬢様と侍女の声が切羽詰まった様子で聞こえる
だけど泣き顔で出ていけない上にテオバルトの用事を聞いていない
リーゼロッテは涙を拭うとテオバルトを伺うように見つめた
「あー……時間切れか……」
テオバルトにも侍女の声や護衛の様子が見て取れたようで頭を描いていた
「リズ、これ飲んどけ」
そう言って渡されたのは治療薬だった
騎士にしか配られない基調の薬品出できており炎症を抑えるのはできるが泣いた形跡を消すなんて使い道はしない
だからリーゼロッテが戸惑っているとテオバルトは口を開いた
「その代わりと言っちゃあれなんだけどよ、次に会った時初対面の振りをするのと、その時に俺の願いを聞いて欲しい」
真剣な眼差しにリーゼロッテは戸惑いがちに頷いた
リーゼロッテとしてもリズ時代の事は語れないから実質初対面になる
願い事は分からないから戸惑いはしたがあのテオバルトが無体な願いをするとも思えずゆっくりと首を縦に降った
「じゃあ俺は少しして出るからそれ飲んだらさっさと買い物しろよ? リズの実力は騎士見習い程はあるが上には上がいるからな」
その言葉に少し笑みがこぼれた
テオバルトが認めてくれるような発言が嬉しかったのもあるがそれ以上に今がその状況だと思うとおかしかった
「うん、ありがとう。テオバルトも気を付けてね」
手に取った治療薬を飲み込む
味は最低だが目元がスっと冷える感覚があった
効果は本物のようだ
背筋を伸ばし令嬢としてその場を後にする
未練などないように……
テオバルトは会った時にと言った
きっと彼の中では会うことは決定事項なのだろう
ならばその時を待つだけだ
そう思うと少しだけ楽しみになった
「ごめんなさいね、少しよろけて路地にはいったようなの」
堂々と路地から出てそう言うと護衛も侍女も安堵の様子を見せた
買い物は順調に終わっていった
リーゼロッテは表面にこそ出さないが上の空であった
テオバルトとの再開、そして次の繋がる発言が大きな意味を持ち始めていた
(『ぼく』を認めてくれる人か……)
屋敷に戻ってからもその事が頭から離れなかった
婚約者候補との出会いまで数日しか残されていないというのにリーゼロッテにはテオバルトの再開のことしか頭になかった
イサークとの会話も以前より胸の痛みは減っていった
だからその時が来るのをまだかまだかと待ち望んだ
婚約者候補である第3王子の歓迎を兼ねた舞踏会の日を迎えた
どんな人でも令嬢の仮面を被り完璧に対応しておけばいい
運命の舞踏会が今始まろうとしていた
見て下さりありがとうございました




