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代償
「皆、席に就け。転校生を紹介する。」
(転校生かぁ…。)
『櫻子、どんな子だと思う?』
「ん?宮。わかんない、優秀な子だと良いね。」
『そうかな?そうしたら私たちの順位が下がるだけだよ。』
「静かにしろ。入れ。」
履きなれない新品の靴の音が教室に響く。
僕は、覚束ない足取りで教師に誘導されたほうへ行く。
「自己紹介をしてもらえるか?名前と、代償。異能は不利になる、言うな。」
「名前は…氷=藍台=サクラダだ。」
教室の空気が2度ほど下がったのが伺えた。
『櫻子、櫻子。サクラダだって。それって…。』
「……。っ…。」
「おいおい…。」
「サクラダゲームの創設者、サクラダ直人の子供ってことか…?」
「嘘だろ…。」
刹那
沈黙がクラスに広がる。
「次に行って良いか?代償は…。」
「片目と怒、味覚と嗅覚の異常発達。」
その瞬間、クラスの空気が凍り付いた。
今度は、代償の意味を暴きます。