5話 スキルが謎スギル
さて……
そんなスキルなんだけど、ボクのスキルは3つ!
1つ目は、お祖父様やお父様達と同じスキル『木管楽器適応』。
部長の楽器適応に似てるけど、こちらは初めから木管楽器に特化したスキルだ。変化した訳じゃない。
パッシブスキルで木管楽器であれば自然と上手く吹ける。小学生の頃はリコーダーも得意だった。けど確かにボクも木管楽器が賞を獲るほど上手ではないから部長のもそうなんだろう。
これがあるから先祖代々このクラリネットを受け継がれてきたともいえる。
2番目のスキルは『国士無双』
……
正直なんでこのスキルがボクに付いたか分からない………
一時的に力が強くなったり身体が丈夫になったりするアクティブスキルで、兵隊さんや格闘技選手になんかに向いたスキルなんだけど、自分で言うのも何だがボクは争い事には向いてない。
子供の頃だって、ケンカとは無縁で育ってきたくらいだ。
3番目のスキルは『■■■■』
スキルが多ければ良いってもんでもない。とさっき言った理由の1つがコレだ……
バグってる……正直、何のスキルか全く分からない。何の反応もなくてアクティブスキルかパッシブスキルかすら分からない有り様だ。
教会で授かった時に立ち会った偉い老司祭様も「こんな事は見たことも聞いたこともない」と大変驚いていた。
「技能神様様からの授かったスキルじゃ。悪いものでは決してない、いづれ成長すればハッキリするやもしれぬ。焦らず大切に育てなさい」と言われたので放置している。
いや、「育てなさい」と言われても何のスキルか分からないから熟練しようがないし、そもそも反応がないので放置も致し方なし……
「………………と、いう訳なんだよ。是非とも入部お願い出来ないかな?」
あ、部長がまだ何か独り喋りしてた。
まぁ、伝統ある吹奏楽部の栄光と廃部。そこからの復帰と再び廃部の危機などなど。部活の歴史と現状の説明みたい。
で、とりあえず入部をお願いするなら、まず他の部員をボクの上から退かして頂きたいのだが……
そんな気はサラサラないみたい。
スキル使うか……