表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
部活の後輩と付き合ってみた  作者: きりんのつばさ
ことのはじまり
15/327

自身の思いは何処に?

「平塚さん、待った?」


「そうですよ、こんな美少女を待たせるなんて

先輩は流石ですよ」


「ごめんね。少し準備に時間かかってさ」


「別に怒ってませんから、さぁ行きましょう」


と彼女につられ帰路に着いた。


「今日は何にしようか?」


「そうですね……鍋なんてどうですか?」


「いいね、でも2人で鍋かい?」


「言われてみればそうですね」


「じゃあ森達呼ぼうか。どうせ森は金欠だし

呼んだらすぐ来るよ。あとは織田と与謝野さんかな」


「大人数で鍋ですか!!楽しみですね」


僕は2年生3人に連絡してみたら、全員参加という事に

なった。特に森は返信のスピードが異常に速かった。

僕の家は森が1番知っているため、後の2人の案内は

森に任せて、僕らは材料の調達をする事になった。


「何鍋にしますか?」


「平塚さんは何がいい?」


「キムチ鍋はいかがですか」


「森が辛いの一切ダメなんだ。

いつもは水だきかちゃんこ鍋にしているかな」


「じゃあちゃんこ鍋にしましょう」


と僕らはちゃんこ鍋の材料をスーパーで買い揃え

僕の家に向かった。


「大先輩〜〜!! 2年生3人来ました!!」


と3人が来たので鍋を開始した。


「あれ何で平塚さんがいるの?」


と与謝野さんが不思議そうに聞いていた。


「理由は簡単です。

私が国木田先輩の隣に住んでいるからです」


「あ、そうか。そうじゃなきゃ看病できないか」


「それから毎朝、朝ごはんを一緒に食べてます。

先輩がどうしてもと言ってきたので仕方なく」


……とあの時の喧嘩の流れを完璧に無視した事を

2年生に言っていた。


「そうなんですか大先輩?」


「大先輩やめようね?そうだよ、僕がお願いしたんだ。

だって朝から美少女とご飯だよ?今日も頑張るぞって

やる気が出てくるよ」


……まぁその分睡眠時間は減ったがな。


「そ、そうですか。てか先輩と平塚さんって

付き合ってないんですか?」


といきなり織田が爆弾を投入してきた。


「な、な、な、何を言って、い、い、いるんですか?」


……平塚さん、慌てすぎ。

ここは年長者の僕が言うか。


「付き合ってないよ。

第一この部活で部内恋愛禁止だろ」

「それを言われると辛いです」


織田と与謝野さんが付き合っているのを知る人物は

幹部は僕だけ、後2年生だけのみである。

理由としてはバレるとかなり厄介なのと

夏目が何を言うか分からないという事からである。


「ましてや幹部が部内恋愛していたら

それこそ幹部クビになるね」


……後々、この部内恋愛禁止というのが大きな問題に

なっていくのだが、それはもう少し後の話。


「……そうなんですね」


「って平塚さんどした?」


「いえ、ただ落ち込んでいるだけです」


「……ちなみに大先輩は今好きな人はいるんですか?

この際、幹部とかは無視してください」


「う〜ん、今はいないかな」


「そうですか……ホッ」


「平塚さん?今日大丈夫?

なんかさっきから落ち込んだり復活したり、大変だね」


「そりゃ色々と、ありますから」

「大変だね、平塚さん」


「与謝野先輩分かってくれますか!?」


「ああ、分かるよ!! だって同じ女子だもんね!!」


「与謝野先輩!!」


「平塚さん!!」


と目の前で女子2人が抱き合っていた。





和やかに鍋が進んでいく中で今日、夏目に言われた事を

思い出した。


「俺は平塚を狙うぞ」


……あの馬鹿は懲りないんだね。


僕自身、平塚さんを好きだと思うが、それはlikeであって

今はLoveではないだろう。

もし平塚さんが夏目と付き合っていたら

僕は最悪クーデターを起こすかもしれない。


ーーしかしそれは平塚さんを取られた悲しみなのか、


ーーただ夏目が憎いから


ーーもしくはその両方なのかもしれない。

ただ部内恋愛禁止という決まりがあって

それを幹部が破ったらマズイだろう。

無論夏目だけじゃなくて僕も含まれる。

だが織田の様に秘密で付き合っている奴もいる。

だが僕はそこまで器用ではないから厳しいだろう。


「……ぱい」


「……先輩!!」


「はい!!なんでしょうか」


……しまった考え事に集中しすぎてしまった。


「どうしたんですか?先輩難しい顔してましたよ」


「いや、少し夏目の事で考え事をしてた」


「……先輩、大丈夫ですか?」


「夏目の事なんて無視ですよ」


……流石に先輩つけようよ。

と言おうとした時、森が立ち上がり


「俺、今から先輩と飲み物買いに行くけど何か

欲しいものあるか?」


「炭酸」


「お茶」


「私は大丈夫です」


「分かった。じゃあ行きましょう先輩」


「?うん、そうだね」


と何故か僕まで買い出しに付き合わされた。




近くのコンビニに行く道中


「で、先輩何かありましたか?」


「いや、特に無いが」


「ダウト、ですね」


「はっ?」


「先輩のその顔とその声のトーンでの何も無いは

俺信じませんから」


「いきなりどうした。また奢ってほしいのか?」


「いやいや、真面目な話ですよ。一応1年間先輩と

飯やアニメ鑑賞会をしましたからそれなりに先輩の

ことは分かっていると思います」


「はぁ……実は夏目にとある事を言われてな」


「何を言われたんですか?」


と今日言われた事を森に話した。


「また、あの人は……懲りないな」


「だろ、一応部内恋愛禁止って知ってるはずたが」


「あの人はそう言うのを守りませんからね。

先輩はそれでいいんですか?」


「何がだい?」


「主将に平塚さん取られて?」


「それに関しては平塚さんが決める事だし」


「本当にいいんですか〜?先輩はかなりのチキンで

ヘタレなのは部員全員が知ってますが……」


「相変わらずの煽りだな」


「俺は先輩をいじったりや煽りを日々してますが

先輩が日々部活の為に頑張っているのを知ってますし

尊敬してますよ」


「やめてくれ、そんなかっこいい事じゃない」


「だから先輩が平塚さんと付き合うなら後輩一同

応援しますし、援護します」


「そうかい」


「無論クーデターを起こすなら手伝います」


「いやいやしないよ!?何物騒な事言ってるの!?」


「いや、実は2年生が主将に対するヘイトが溜まり

過ぎて危ないのを、日々国木田先輩が逃したり

抜いてくれたりしてますから、今は大丈夫ですが」


「勘弁してくれ」


「なので先輩の信頼度はかなり高いです」


「そうか」


……森の話を聞いている中で少しは部活をやめないで

良かったと思った。

僕がやってきた事を無駄じゃなかったのかもしれない。


「森、ありがとうな」


「いえいえ先輩には日々お世話になってますから」



用語説明


部内恋愛禁止

……その名の通り、部員同士か付き合う事を禁止

している決まり。破ると罰則がある訳ではないが

OBからの印象は悪くなり、主将等の主要ポストに

つきにくくなる。

そもそもこれが出来た理由は、当時の幹部同士で

付き合っていて、別れ話がややこしくなり部内が

大変荒れた事から、当時の監督が決めたこと。


後々、この決まりを巡って国木田と夏目の間で

事件になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ