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部活の後輩と付き合ってみた  作者: きりんのつばさ
またまた波乱
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お前達か……!!

今回は前回の話の続きを国木田視点で書いていきます

僕はその日、最近の日課になっている七海の迎えに来た。

だが……


「あれ、遅いな~」


いつもなら僕の方が遅いのだが今日は珍しく僕の方が早く、時間を過ぎても来ない。


「まぁ、授業が遅れているのかもしれないしゆっくり気長に待ちますか」


僕はスマホのゲームを起動した。


「貴方、平塚七海の彼氏ですか?」


僕がスマホのゲームで遊んでいると前から話しかけてきた。


「ん?」


その声がする方を向くと数人の女子達がいた。


「だから貴方が平塚七海の彼氏ですか?」


何故か同じ質問をされた。


「そんなん2度言われなくても分かるからね?

ーーというかいきなり来てさ、自己紹介も無しって変じゃない?」


「私達は七海のクラスメイトです」


「そうですか、で七海のクラスメイトの人達が一体僕に何の用かな?

僕この後用事があるから手短にお願いするよ」


だって帰ったら七海の晩御飯作らないといけないし。

それに話していて気分が悪い。


「分かりました。では手短に。

ーー七海と別れてください」


「はぁ?」


この子達は頭は大丈夫だろうか?

・・・いきなり来て、別れろと。

バカには無視が1番だろう。


「……話はそれだけ? 終わりなら僕帰るよ?」


と彼女らに背を向けようとすると


「ーー貴方は七海が誰が好きなのか知ってるの!!」


「はぁ?」


さっきとは違う子が僕に聞いてきた。


「だから七海が誰が好きなの知ってるの?」


「……彼氏の僕かな?」


僕は素直にそう答えた。

すると……


「そんなわけ無いじゃない!!

貴方みたいな冴えない男子を七海が好きになるはずがないじゃない!!」


……普通初対面の僕を冴えない男子って言うかね?

多分この子達、人の話を聞かない性格だろう。


「ちなみに七海が好きな人は誰なのかな?」


「それは常村君に決まっているでしょ!!」


「はぁ……?」


「貴方みたいな冴えない男子よりも常村君の方が七海の為になるはずよ!!」


後ろにいる子達もうんうんと頷いている。

……あ~あなんか聞くのに疲れた。

こっちの意見を聞くつもりなどないのだろう。


「じゃあ僕帰るよ」


流石に我慢の限界なので帰ることにした。

だがしかし彼女達は僕を引き留めようとする。


「ち、ちょっと待ちなさい!!

どうせ貴方が七海にしつこく迫ったのでしょ?」


「……あ?」


ちょっとイラっときた。


「そうよ!!

七海は優しいから貴方を気遣って断れなかったのよ!!

だから貴方から別れなさい!!」


「七海には常村君の方が似合っています。だから別れてくだーー」


「……なぁ、さっきから好き勝手言ってるけどさ、君達うるさいんだけど?」


「え」


取り巻きの子が言い終わらない内に僕はさっきよりもトーンを下げて言った。

なお森曰く“先輩の低いトーンの声結構トラウマっす……”とのこと。


「はぁ……まだ分からないかな。

だからさっきからうるせぇって言ってんだよ!!」


いつもはあまり出さない乱暴な口調になりながら叫んだ。


「ひっ……」


「君達はさっきからやれ"七海のためだ"、"七海と別れなさい"って言ってるけどさ

本当に七海自身から聞いたのか?」


「わ、私達はな、七海の為を思って……」


「そ、そうよ。七海は優しいから言わないだけ!!」


「へぇ~じゃあ七海自身()()()()からは誰も聞いてないのか?」


と言うと一気に彼女達は静かになった。


「はぁ……呆れて何にも言えない」


といきなり持っていたスマホが鳴った。


「おっ、丁度良かった」


相手は七海だった。

僕はこの場をさっさと去るために電話に出ることにした。


ポチ


「あっ、七海~今どこにーー」


「国木田先輩ですか!?

今どちらにいらっしゃいますか!?」


「あれ? 凛子さん、どうしたの?」


電話の相手は七海では無く、凛子さんだった。

しかも何故か焦っていた。


「うぅ……」


と電話の向こうでは誰かが泣いている声が聞こえた。

この声は聞き間違えるはずがない。


「七海!? なんで泣いてるの!?」


「実は大学で常村君の取り巻きの子達に色々と言われてしまって泣いちゃったんですよ」


「取り巻きが泣かした……?」


僕が今、目の前にいる彼女達を見ると彼女達は一斉に僕から目線をそらした。

その反応で彼女達がやったと理解した。


「お前達か……!!」


僕が彼女達を怒りの混じった目で睨み付けると


「「ひぃ・・・!!」」


彼女達は逃げていった。


「悪い、凛子さん今どこにいる?」


「先輩達のアパートの前です」


「わかった!! 今からそっちに向かう!!」


と言うと僕は電話を切り、走り出した。

彼女達を追いかけるのはいつでも出来る。

だが、今の最優先事項は七海の隣にいる事だ。


「七海……!!」


今はただ七海の事が心配だった。

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