コテージの中
織田に言われて僕らはコテージの中に入った。
「わぁ~広いな」
外観も綺麗だったが、内装も整っており外から見た感じよりも中は広かった。
「すげぇ~寝室が3つもあるぜ!?」
「はぁ~風呂も中々綺麗だな……」
と僕らは三者三様の感想を述べていた。
僕が言うのもなんだが僕らは揃いに揃って語彙力があまり無い……。
さっきから「綺麗」とか「すごい」しか言えていないのがそれを表しているだろう。
(宿の方、語彙力が乏しくてすみません……でも僕ら本当に感動しているんです……ただ語彙力が無いだけなんです……)
という弁明を心の中でしていると丁度昼食の時間になった。
「先輩、昼ごはんどうしますか?」
「とりあえず何か作るよ。そのために材料買ったし」
と僕はテーブルの上に置いた材料に指をさして言った。
ここに来るまでにスーパーで材料は買ってきていた。
いや~車って便利だよね~
僕運転して無いけどさ!!
ま、まぁその分、料理するし~
それでイーブンでしょう!!
……た、多分。
そして僕が昼食を作り、それを食べ終わり各自がゴロゴロと休んでいると、不意に織田が
「へぇ、この近くにテニス場あるのか……」
とつぶやいていた。
「マジでテニス出来んの!? 先輩やりましょうよ!!」
何故か森はテンションが上がっていた。
「テニスか……僕、サッカー以外の球技苦手なんだよな……」
僕は現在、運動部に所属しているがそもそも運動が得意な方では無く……というか苦手な方であり、サッカーは何とか出来るがそれ以外の球技は苦手である。
……じゃあ何で苦手な癖に運動部に入ったのか、という言葉を言いたい人もいるとは思うけどそれは今度の機会に話すとしましょう。
「じゃあ織田、テニスで勝負しようぜ!!」
と森は今度は織田に話を振っていた。
「俺か?まぁいいけどさ……
ーー俺に勝てるかな?」
あれ?織田ってこんなキャラだっけ?
いつもはもっと大人しいはずだよね?
何かあったんだろうか?
と思っていると今度は森が
「はっ、その自信満々の顔がいつまで保てるかな!!」
と逆に織田を挑発してきた。
……うん、森は平常運転だね。
こいつは人見知りだが、知ってる人に対しては素の性格が出てくる。
「言ってくれるじゃないか……決着つけようじゃないか!! 勝負だ!!」
「その勝負受けてやんよ!!」
と後輩2人は既にやる気満々の様子。
正直、面倒なんで巻き込まれたくない……
というか何で野郎の勝負を見なきゃ行けないんだ。
「じゃあ2人で勝負つけてきなよ。僕は昼寝してるからさ」
とソファーに寝ころがろうとしたところ……
「はい? どうしたんの2人?」
僕は後輩2人に腕を掴まれた。
「何してるんですか先輩?
先輩は審判をしてもらいますよ?」
と森に言われ
「そうですよ、俺らがやったら絶対収拾がつかなくなりますので先輩は審判です」
今度は織田に言われて、僕は無理矢理テニスコートに連れて行かれるのであった。





