私のセンパイ
今回は平塚視点で話が
進んでいきます
私の彼氏のセンパイはとても大変そうだ。
現在合宿に来ているのもあるがとっても忙しそうだ……
何故なら……
「疲れた……」
と宿のエントランスの椅子にもたれかかっているセンパイの独り言が聞こえたからだ。
宿についてわずか1時間で練習場の雨漏りが発覚して、その後処理を1人でやっていて
それでさっきの独り言を呟いたのだろう。
ーー宿の人との練習場の料金の話し合い。
ーー今日の練習の有無を巡って幹部の話し合いのまとめ役。
ーー下級生への伝達
これらを1人でさっきまで取り組んでいた。
そしてそれをやり終えたセンパイは椅子にもたれかかっている。
センパイを労ってあげよう!!
と思った私はセンパイに気づかれない様に後ろから近づいた。
そしてセンパイとイチャついた私はなんかまたセンパイが呼ばれたらしく
ついていく事にした。
「今度はなんだよ……」
センパイが呆れながらその場所に向かうと
そこは私達1年生女子の部屋だった。
そしてわたしの同期の女子が数人いた。
……はたまたどうしたのだろうか?
というか私まさかの蚊帳の外?
アウトオブ蚊帳?
「今度はどうしたの?」
「部屋も雨漏りしていて……」
「な、なんだって……」
中に入ってみると確かに雨漏りがしていた。
「マジかよ。ちょっと宿の人に聞いてくる」
とセンパイはエントランスに向かった。
「あ、平塚いたんだ?」
「ちょっと~!? それは酷いよ!?」
この瞬間、私は同期の薄情さを感じた。
「いや~私達が雨漏りで悩んでいる最中にどこ歩いているのかな~」
「グハッ……!!」
正論のナイフが私の胸に刺さる。
「それがまさか彼氏である国木田先輩と一緒だったとはね~」
「ヘブッ!!」
正論のナイフ2本目が私の胸に刺さる。
「いや~危機を乗り越えたカップルは強いですな~羨ましい~」
「も、もう勘弁してください……」
私が倒れそう。
「まぁ夏目先輩が目の前でイチャイチャするより何倍もマシだけどね」
「わ〜い!! やった~!!」
やりましたよセンパイ!!
私達合法的にイチャイチャできますよ!!
「ただし!! それが許されるのは先輩の日頃の行いがまともだからだよ?
……決して平塚だから!! って訳では無いから注意してね?」
「分かっていたよ!?
何となくそんな気がしてたからね!!」
……同期は私に対して厳しいんだか甘いんだがよく分からない。
「若干だけど国木田先輩を取られて悲しいって思う子がいるからね?」
「えっ……」
それは初耳。
「そりゃ夏目先輩にあんな目の前で意見言って優しい気配りできる先輩が
人気でないと思っていたの?」
「それはないでしょう?
だってあのセンパイだよ~
いや~彼女として嬉しいよ~」
確かにあのセンパイは優しい。あと料理美味しいよね!!
「……惚気なのね。では最後に小言を」
「うん?何かな?」
彼女の小言を聞こうとした矢先
「お〜い、1年女子~部屋の手配終わったよ……」
とセンパイが戻ってきた。
「あっ、センパイ〜!!で小言って何だっけ?」
「彼女ていう立場にあぐらかいていると奪われるよ?
……例えば私に、とか」
というと同期はセンパイの方に向かった。
「え」
……えぇぇ〜!?
どうやら一波乱起きそうな予感……





