身の程知らずの先輩には丁度いいかな
今回は国木田目線で進んでいきます。
国木田視点
織田と与謝野さんが付き合い始めた次の日。
僕は問題の先輩を部室に呼んだ。
部室には僕と森が待っていた。
「国木田、話とはなんだ?」
とその先輩が部室に入ってきた。
「先輩わざわざお時間をいただき
ありがとうございます」
と僕と森が揃ってお辞儀をした。
「そんなんどうでもいいから本題に入れ」
「分かりました。では
ーー与謝野から手を引いてください」
「お前、何言っているんだ?」
「言葉の意味そのままですが?
もう一度言いますか?」
「何故それを俺に言う?」
「先輩以外に誰かいますか?
練習中や部室であろうとも与謝野に
しつこいのは先輩だけですよ」
「俺がなにしようと
勝手だろうが」
「いやいやそれで1人の部員が
困っているんで大変なんですよ」
「だから俺に手を引けと?」
「はい」
「ハハハッ!! 馬鹿らしい!!
まだ2年生のひょっこが何を
言い出すと思えば、与謝野から
手を引けだ!? 笑えるぜ!!」
「・・・こっちはあんたのせいで
被害被っているんだよな」
「お前ら、俺の役職しっているよな!!」
「ええ、主務ですよね?」
「そうだ!! だから俺の権限1つで
お前らなんて直ぐに部員じゃなくなるんだよ!!」
「確かにそうですね。
・・・ですが、先輩にはすでに
そんな権限ないですよ?」
「なんだと?」
「先輩は主務ですが・・・
あんたは既に元主務だ」
「何をいっている?」
「今、先輩の主務解任をOB先輩に話しています」
「ほう、それで?」
「先輩の日頃の行いを調べていると
沢山出てきますね。それらを
OB先輩達に話したり。メールを送ったり
しています。みれば解任間違いなし
の内容です」
・・・織田と与謝野さんをくっ付ける前から
その先輩の悪行とかを色々と調べていた。
それを徐々にOB先輩に送っていた。
「ちなみに森。いまどれぐらい返事が
来ている?」
「ちょっと待ってください・・・
嘘でしょ・・・ほとんどが反対のメールです」
「馬鹿が!! お前らが最近変な行動していたから
探ってみたら、OBと接触していたのは分かった。
なら先にOB先輩に言っておいたんだよ」
と勝ち誇ったような顔をする先輩。
「困ったな・・・うん、どうしようか?」
と僕はおどけたような態度をした。
「先輩!?」
「さて、じゃあ次はお前らが退部か?」
・・・やれやれここまで引っかかってくれる
なんて嬉しいもんだね・・・
先輩が既に勝負が決まり、次は自分の番と
意気込んでいたところ
プルルルル
誰かの電話が鳴った。
どうやら先輩の電話のようだ。
「電話出なくていいんですか先輩?」
「言われなくても出る」
と先輩が電話に出た。
「はい、もしもし・・・
せ、先生!? と、どうされましたか?」
電話の相手は部活の先生のようだ。
「・・・先生がどんな用なんですかね?」
「まぁ森、見ときな」
「先輩なんか知ってますか?」
「知ってるというか・・・」
と先輩の表情を見ていると
どんどん青くなってきた。
「せ、先生。な、何を言ってらっしゃるんですか?
じ、自分はそんな事・・・・
ま、待ってください!!」
と一方的に電話が切られたみたいだ。
・・・さぁ反撃開始かな。
「あらあら、何か大変なようですね~」
と僕がいつものお惚けの口調で聞くと
「てめぇ、先生に何を吹き込んだ・・・」
「いや~僕はただOB先輩に話したことを
そのまま話しただけっす」
と言うと先輩は何かに気づいたらしく
「まさか本命はOBじゃなくて先生だったのか!?」
「ご名答」
・・・そうなのである。今回の作戦?の
本当の目的は部活の先生だった。
「先生と絞ったところで、もし僕がすぐに先生の
ところに行ったら、あんたも気づくだろうと思ってね。
ワンクッションおいたのさ」
「それがOB先輩だったわけですか・・・」
と森が意外そうに言う。
「そう。そうしたら見事にあんたが
OB先輩のところに行っていたのが
見えたもんだから、その内に
先生に会いにいったのさ」
「お前!!
先輩をあんた呼ばわりしてもいいのか!?」
「まぁ若干良心が痛みますが
・・・身の程知らずの先輩には
丁度いいかなと思って」
「てめぇ!!」
とその先輩は殴りかかってきたので
「森、頼んだ」
「分かりました!!」
と間に森を入れた。
・・・だって僕、そういうの苦手だし。
対して森はコミュ障であるものも
そういうのには強い。
「あんたが僕からの最初の問いに
大人しく従っておけば
今回の処分にはならなかったのに・・・」
「てめぇ!!
俺がどんだけお前の面倒を見てきたと思っている!!」
「いや、確かに世話になったが・・・」
と気が付いたら僕自身も先輩に対して
敬語を使うのをやめていた。
「なら何故だ!?」
「あんたが部活をしていく中で邪魔に
なったからさ。
後輩の女子に迷惑をかけている
時点で僕はあんたを先輩として見限ったよ」
そしてとどめの言葉を放った。
「・・・あんたは自分がうまく立ち回れているって
思っていただけで、実際は僕の掌で
わめいていただけなんだよ」」
とおいうとその先輩は力が抜けていった。
「森、帰るぞ」
「はいっす」
・・・後日、その先輩は部活を
休部という名の退部になった。
あと2、3話でこの章はおしまいです。





