ハチと大海
「ザザー、にゃ~、にゃ~、ザバーン、ギャーどさ」
二メートル程のカモメが空を飛び、それに部下が襲い掛かる。ん?断末魔、
「ザバーン、コポコポ、ザザー、ザバーン、」
心地の良い波の音で音直しを、
「ザザー、コポコポ、にゃ~、にゃ~、ザザー、ピチャ、ザザー、」
「クイ、クイクイ」
お!来た来た、糸が引いている。
「セリャ」
おもいっきり竿をあげる。
「バチッ、バーン」
チッ、切れたか、ま
あこれも釣りの醍醐味と言えば、醍醐味か。
だが森にいた鋼大蜘蛛の糸を、何重にも束ねた釣糸が切られるとは、これは中々の大物だな。
「連隊長、なにサボっているんですか?」
「ん~?食糧の確保をしながら、全線基地の監督ををしてると言うのに、人をサボり扱いとは、」
「わかりました、それは良いとしましょう。ですが、我々の任務をお忘れですか?」
「勿論、この辺りの主級の魔物から、全線基地を守り、我々と敵対している、水竜の討伐だったかな?」
「ええ!ですから少しは探索に、」
「ジャバジャバ、ガー」
「おっ、お目当ての水竜が来たぞ、」
「そんな馬鹿な、」
まあ、普通は釣れないだろうが、今回は餌が違う。
自分の脱皮したかわに、自分の魔力を込めて、本物のエンシェントアントのように見えるものを作った。
もし目標の水竜が、我々と敵対してるので有れば、きっと食いつくはずと思い用意したのだが、
「ただ追いかけるだけでなく、こんな風に誘き寄せる。ってことも覚えとけよ。」
「はあ、で釣れそうですか?」
「無理だな、まああれを用意しておけ。」
「わかりました。」
「まあ、ぼちぼち頑張るとするか。」