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お昼ご飯でもおねんね

もう驚かないっ!


とか調子扱いてた時期がありました・・・


日間ランキング一桁っす・・・


ふぉおおおおおおおおおお!? 大絶叫で大興奮!!! ひゃっほーしてたらイスが後ろに転倒して頭を打ちますたw いたいよ~


ブクマに評価までくれた方々。拝ませてくださいませんか?

感想もホントに嬉しいです♡ 励みになるっす。 こんなに執筆意欲がわくなんて初めてです(#^.^#)

春眠とギン、そしてマイア、クリスタ、ミーアの五人は共に昼食をとることになった。大人数で泊まることも多い街なので、大きなテーブルもある。ギンは初めてきたが、女性たち(春眠は男)をリードした。店一番のおすすめ料理を五人分自腹で注文する。マイアたちは自分が止まっている宿でもあるので、此処がそんなに安くはないと言うことは知っていた。


「本当にすいません。いいんですか? そんなに安くは無いと思うんですけど」


「大丈夫っすよ。こう見えてもけっこう金持ちですから」


「ふんっ ありがとうって言ってあげるわ!」


相変わらずの上から目線はミーアだが、内心は優しい。しっかりお礼を言いたかっただけだった。


「ギン太っ腹~」と両手にナイフとフォークをセットして料理が運ばれてくるのをいまかいまかと待ち構える春眠。猫耳と尻尾がピクピクと、幸せです!と言っているかのように動いていた。


「……かわいい」


クリスタは春眠の隣に座ってシッポをニギニギしていた。


しばらくして恰幅のいいおばちゃんが料理を運んでくると、フシャーとか言いそうな勢いで春眠ががっついた。負けじとミーアがっつく。


「むしゃむしゃ うみゃー!」


「あっ! ずるい! アタシも!」


「……かわいい」


クリスタは余りお腹が空いていなかったのか、料理よりも春眠を可愛がっていた。汚れた口を拭いていたり、尻尾をニギニギして楽しんだり。どっちが年上かというと春眠だが。傍から見るとクリスタがペットの世話をしているようにしか見えない。


常識人のギンとマイアは仲良く会話しながら食事していた。保護者的なところが気があったのかもしれない。


「改めて。私はマイアです。これでも冒険者です」


「ギンです。同じく冒険者してます。ということはみなさんは、パーティーを組んでいるってことですか?」


この世界では名乗る時に、職業を言うのが一般常識になっている。名字もちは貴族など限られた人間のみなので、名前だけだとかぶることもあるからだ。


「えぇ そうです。 リザードマンの件を聞きつけて飛んできたのですが、遅かったみたいで。着いた時には全部終わっていました。青銅国だというのに流石は魔境近くにあるだけあって、みなさん強いみたいですね。でも、せっかく最北端の魔境付近に来たのでクエストをいくつかこなしています。南の安全なところでは出回らない武器防具とかも売っていて、気が付いたら長居していました」


「ははっ そういった冒険者の方はけっこう多いみたいっすよね。まあリザードマンの時は俺たち冒険者や騎士とか軍じゃなくて、街のみんなががんばってくれたんですよ。元冒険者が多いところなので一丸となったって感じです」



「むしゃむしゃ」


「あー それアタシがねらってたのにぃ!」


「……リスみたい。かわいい」



「ギンさんも戦いに参加したんですか?」


「うす! 20匹はぶった切りましたよ! おかげで剣がダメになっちゃたんですけどね」


「……失礼ですけど、ランクをきいてもいいですか?」


自慢げに話すギンに、驚いて信じられないといった顔をするマイア。本当は聞くのはご法度なのだが、失礼を覚悟でギンのランクを聞いてみた。実は冒険者同士でランクを聞くと言うのは決闘を申し込む合図なのだが、マイアはそう言った意味を込めていない。ギンも分かっているので、素直に話したのだった。


「あ…… 恥ずかしいんですけど、まだ新米のFランクです。でもギルマスにはAの実力は持っているとお墨付きは頂いてます。マイアさんたちは、ランクいくつですか? あ、言いたくなかったら結構っすよ」



「むしゃむしゃ」


「負けないんだからぁー!」


「……ご馳走様でした」



「あまり目立ちたくないので、驚かないでくださいね?」


「もちろんです」


ギンの予想ではBかAだった。リザードマンを狩りにくる時点でB以上あることは確実で、見た所クリスタとミーアは魔法使いで、前衛はマイアの一人だけ。そう予測した。あまりバランスの良いパーティーではない。よくてAランクだろうなと、決めてかかっていた。


「Sランクです。 ……今はいない(・・・・・)みたいですけど、【冷徹姫】のパーティー【ブリザード】です」


マイアは一瞬クリスタの方へ顔を向けると、ギンに笑顔を向け直す。


「……へ!?」


予想が思いっきり外れたということよりも、夢にまで見たSランクのパーティーと昼食をとって仲良くしゃべっていたなど。ギンはあごが外れるのではないかというぐらいに大きく口を開けて、唖然としてしまった。人は驚愕すると声も出ないし、体の力が抜けるようだ。



「むしゃむしゃ」


「うぷっ もうむりよ てかこの猫、どんだけくってんのよ!」


「……かわいい」



思考停止したギンが再稼働した時には、昼食は片づけられていた。みんなはアフタヌーンティーを堪能している所だった。



「マジか! うそだろ!」


「気が付きましたか?」


「抜け殻みたいになったわよアンタ ププー」


「……大丈夫?」


「ふぇ? ギン死んだんじゃなかったんだー ショック死したのかとおもったー」


「「ふぇ?」じゃねぇ! 勝手に殺すな! いやそんなことどうでもいい! マイアさん! 俺をメンバーに入れてくれませんか!」


Sランクのパーティーの一員になる。ギンの夢が叶おうとしていた。


「ごめんなさい。リーダーが今はいない(・・・・・)し、私が決めていいことじゃないのよ」


「そうですよね。そう簡単に決めてもらえることじゃないのは分かってます。でも【冷徹姫】に進言だけはお願いしていいですか?」


「ええ。伝えておくわ」


マイアがチラリと春眠の尻尾をモフモフしているクリスタに目をやった。


ギンはこの場にSランクパーティー【ブリザード】のリーダー【冷徹姫】がいない。とそう思い、入れてもらえるように頼んでおいた。今はいない(・・・・・)という意味深な言葉に気が付いたのは、春眠だった。ランクとかパーティーとか一切の興味も無いからスルーして紅茶に舌鼓をうつ。



「ん~ おいし~ クッキーとかあったら最高だったのになぁ」


「アンタまだ食べる気だったの!?」


「……モフモフ」




ゴーン ゴーン ゴーン






マッタリしていると、第三都市ハインツに響き渡るほどの大音量で鐘が鳴り響いた。春眠はビックリして手にしていたカップをひっくり返す。紅茶えを堪能した後、お昼寝するために用意していたマイ枕に溢してしまった。春眠は絶句する。


「ふぇ……」


「耳痛いんですけどっ!」


「……だいおんりょう」


店にいたハインツの民たちは立ち上がって青ざめた顔をしていた。それはギンも同じだった。


「ウソだろ!」


「あの? 警鐘の音ですか?」


マイアが聞き直すと、ギンは狼狽えながら説明した。


「はい。 警報っす。 回数が多いほど危険が迫っているってことです。最大で三回……」


ハインツの警鐘システムで、モンスターの襲撃に合わせて警鐘をならす。それは襲撃して来るモンスターの脅威度によって回数を増やし、一回鳴り響くと、警戒を促す。二回鳴り響くと、厳戒態勢を促し、そして三回鳴り響くと、街の防衛力じゃ対処しきれない危機であることを示している。半年前のリザードマン襲撃の時も、同じように三回鐘の音がハインツに響き渡った。


警鐘が鳴り響く位置は北側の門のあるところだった。【闇ノ大森林】が存在する方向である。


「いきましょう!」


マイアが【ブリザード】のパーティーメンバーに呼びかけたその時だった。店に駆け込んでくる騎士の姿があった。


「【ブリザード】の方たちですね!」


「はい! すぐに向かいます」


「いえ。そうではなくて。騎士団長がモンスターの襲撃に備えて作戦を練りたいので、詰所まで来るようにと!」


「はぁ! 緊急事態に何いってんのよアン——


ミーアが怒鳴るのをギンが制止した。止められたミーアは何すんのよと言おうとしたが、ギンの顔を見上げて言及するのは止めた。ギンの顔は怒りで歪んでいたからだ。


「またお前らは動かないつもりか騎士団……」


「お おまえは! ギン! 黙っていろ! 我々騎士団は、必ず勝利でき、安全な策を練る必要があるのだ!

殿下をお守りするためにな!」


「くそが……」


騎士とギンが睨み合うが、やはりこの雰囲気をぶち壊すのは春眠だった。



「うるさーーーーーーーい!」


「がはぁ!?」


ガッシャーンという音を立てて騎士が吹っ飛んで行った。レベル102の強烈なグーパンチを顔面に、もろに喰らった騎士は起き上がることはできず一発KOされた。



お腹も完璧に満たされ、マッタリとしたアフタヌーンティーを堪能して、これからお昼寝に入ろうと、マイ枕をアイテムボックスから取り出していたのだ。しかし、そのマイ枕を汚させられた。五月蠅い鐘の音と、やかましい騎士の所為でぶち壊されてご立腹だった。


「なにしてんだハルミー!」


「あら? 大丈夫かしらあの騎士さま?」


「良いパンチね。スカッとしたわ! どこの騎士団もこんなもんだし」


「……がっしゃーん」


ピーンと尻尾を立ててお怒りモードの春眠は、完全に目が覚めてしまった。春眠にしか見えないステータス画面のマップには、スキル【陸海空域結界(オールゾーン)】と【索敵】によって、北側に赤い敵意を持つ点が、数千体映っていた。


「あと五月蠅いのはお外かなぁ~ 北の方からモンスター反応…… 根絶やしにしてやる」


絡んできた冒険者を半殺しにしたのを見たギンには、春眠が爪を立ててカリカリと机を刻む音が、死の旋律にしか聞こえなかった。







10/22 PV 43.651

これは夢でしょうか? 真夜中の午前三時にすら630もアクセスをいただいています。夜更かししてくれてまで呼んでもらえるなんて嬉しいです。

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