喧嘩中でもおねんね
ふぉおおおおおおお!?
日刊ランキングが二ケタになってる!?
ありがたやー ありがたやー
PCに向かって土下座しちゃいました☆
幸せばっかじゃだめだから、不幸なニュースもかき込むぜ!
ファミレスで大きい方してたら、トイレットペーパーが無くてレシートで拭いてきましたっ♪ 拭いた後のレシートを流していいのかだめなのか、丸出しで葛藤してたら痔になるという悲劇っ! 不幸だぜ~
「ほぉー 俺様の事がこわくもなんともねーってか?」
「マスターの孫だから今までは大目に見てきたが、テメー調子扱きすぎじゃねーのか! ごらぁ!」
「獣人の女とデートかよ。七光りはいいよなぁ ええ?」
薄汚れた防具に身を包んだ三人組が、春眠とギンを取り囲んだ。ギンには挑発する言葉を浴びせ、春眠にはゲスな視線を向けて値踏みする。獣人が珍しいわけではないが、魔境に面した最前線の青銅国領に戦闘できなさそうな女の子はきわめて少ない。特にハインツには少なかった。故に春眠とギンは目立っていた。
三人組とギンが睨みあう。
ギンは此処ではそこそこ有名である。ギルド長のマインツの孫ということと、リザードマンが押し寄せてきた時に、熟練の冒険者に負けない活躍をしたからだ。それを妬む冒険者は五万といる。ギンの活躍はマインツから貰った武器と防具のお蔭だと、影で揶揄していたのだ。とくに中級冒険者たちの間で、ギンは不評だった。
現在二人は三人組に連れられて街の裏路地にいる。流石に公でギンになにかすることは避けたかったのだろう。
しかし、彼らのミスはその場に春眠も連れてきてしまったことだった。
「僕さ…… お腹すいてるんだけど?」
「ハルミ?」
いつもの、のほほんとして春眠の口調が、ドスの効いた心臓を鷲掴みにするような声色に変わっていた。春眠はご機嫌斜めだった。快眠のためにおいしいご飯でお腹いっぱいになる邪魔をされたのだ。加えていうと、実は先ほどのギンのテキトーな店の選び方にもイラついていた。
「あん? 女はだまってろ!」
「七光りに餌貰ってなかったのか?」
「ぎゃははは」
春眠が怒ろうがどうでもいい三人組は、春眠を逆なでする。三人組はギンをシバいた後に春眠でお楽しみするつもりなのだ。嫌がる女を無理矢理というのに三人組は楽しみで仕方なかったのだろう。
「僕の睡眠の邪魔するんだ?」
「ぎゃはは! ギンと寝るってのか?」
「そんな奴なんかよりもよ、俺様たちと寝た方が気持ちよくなれるぜぇ」
「こんな七光りじゃ味わえないのを教えてやるから、黙ってな!」
「お前ら! ハルミを巻き込むな!」
睡眠を違う意味でとった三人組が、春眠を茶化す。ギンは真面目に庇おうとしてその間に割り込もうとしたその時だった。
「僕の睡眠を邪魔するおバカさんは死んだらいいよ……」
此処にいる誰も春眠のレベルを知らない。今の春眠のレベルは102もある。レベルが100を超えると冒険者になるだけで、今までの功績など関係なくAランク認定される。それは騎士団でも国軍でも同じような扱いをされて、いきなり上役へとなれるのだ。熟練の冒険者でもレベル50がやっとで、春眠とギンに絡んできた三人組はそんなレベルではない。やっと二ケタになり調子にのっていたのだ。
「何言ってんだ? この猫娘っ ぎゃははは」
「そんなに犯されてーなら黙ってろっていってんだろ!」
「おいおい逃げられちまうだろっ いじめ過ぎんなって」
ちなみにギンは18歳という年齢で、すでにレベル30を超えている。実力だけはAランクだとマインツに言われるだけはあった。
春眠の【威圧】に気が付かない三人組とは違って、ギンは隣に立つ春眠に恐怖すら感じていた。額に冷や汗が垂れてくる。
春眠は意図せずにスキル【威圧】を使っていた。三人組は効いていなかったのではなく、状態異常の【恐慌】になっていたのだ。春眠の可愛らしい外見の所為で自分たちが、恐れ、慌てているということなど知りもしなかった。
春眠が五本の爪を擦り合わせてカリカリと音を立てる。獣人ならではの攻撃手段の爪に加えて、グルーから簒奪したスキル【爪撃】を合わせ技しようとした。これも春眠は意図してしたわけではない。睡眠のための食事を邪魔された怒りによって、体が勝手に最適な攻撃手段を導き出したのだ。
「二度と邪魔できない様に、喉でも掻き切ったほうがよさそうだね」
快眠のためにはどんなことも妥協しない。そんな異常な哲学を持つ春眠は邪魔者には一切の情を持たない。
この異世界に転生してくる以前の話だが。学校で寝ているところを不良グループに邪魔された。睡眠の邪魔をされた。ただそれだけの理由で、地元にのさばる全ての不良グループを壊滅させた。不良グループは皆大けがをしていたという。音も無く忍び寄って起き上がれない様な致命傷を与え、一人一人倒していく春眠は、【死神】と不良の間では有名だった。
そして異世界でそれが再現されることとなった――
気が付くと裏路地に血の水たまりができていた。春眠の手からは三人組のものと思われる血が滴り、血の水たまりにポチャリと音を立てる。
ギンは三人組がまるで虐殺されるように蹂躙されるのを、立ち止まって見ていることしかできなかった。
「ハルミ…… お前……」
「んー? 邪魔は無くなったしぃ ご飯たべにいこぉー!」
居なくなったではなく、無くなったという春眠の言葉に、ギンは寒気がした。人ではなく邪魔なものとしてとらえていた。
確かに、この第三都市ハイルンのルールでは、絡まれた時の正当防衛が許されているし、過剰防衛という決まりはない。しかしギンはこの惨状を受け入れられなかった。自分が懲らしめて終らそうとしていた。殺すつもりは無かった。
「なんで殺した!」
「睡眠の邪魔したから? でも死んでないよぉ 出血多量で貧血起こしてるだけ~ ほっといたら死ぬけどねぇ」
「——っ!?」
ギンは春眠の顔を見た時、その裏にあるなにかを垣間見た気がした。そしてこのハイルンに入れたことを間違いだったのではないかと思い始める。しかし呆然としているわけにはいかず、すぐに人を呼んで三人組を教会へと運ばせた。
その間、春眠はゴミでも見るかのように三人組の行方を眺めたいた。
閑話休題
三人組の処理は駆けつけた騎士団に任せて、ギンと春眠は飯屋へと向かった。事情聴衆をしたいと止められそうになったのを、ギンが必死で阻止した。後日騎士団の詰所に顔を出すことで話をまとめた。また春眠が邪魔されたと機嫌を悪くするか心配だったのだ。しかしそれは杞憂だった。明確な害意が無ければ春眠はこれほどまでにキレることはない。
現に飯屋についた春眠は先ほどの事が嘘のように、ニッコニコになった。ギンは【冷徹姫】が宿泊している宿屋のメシどころで、もしかしたら会えるかもしれないから少し緊張気味になる。
「いいにおい~」
「あぁ…… そうだな。 来たことはねーけど、上手いって聞いたぜ」
「さっそくはいろー」「私が一番乗りよ!」
元気いっぱいで店のドアを開けた春眠と、急に横から飛び出してきた水色の髪の女の子とおでこをぶつけ合った。ゴチンといい音がしてお互いに尻餅をつく。
「あぅっ!?」「きゃあ!?」
おでこを両手で押さえる春眠に、さきに立ちあがった水色の髪の女の子が喚き散らした。
「何処見て歩いてんのよ猫! いたいじゃないの!」
「えっとごめんなさい?」
素直に謝られたのにびっくりした女の子は、「わかればいいのよ」と腰に手を添えて絶壁を強調する。
勝気な子だなぁと春眠はそんなことを思いながら、立ちあがった。すると女の子が手を引いてくれた。根はとてもいい子だと後ろで見ていたギンが感心していると――
ゴン! 「ぎゃーーー! いたいー 何すんのよマイアー!」
鈍いゲンコツの音が聞こえてきた。青い髪の少女がそこらへのた打ち回る。そしてゲンコツを喰らわせたのは、金髪の美女だった。
「ウチのミーアが迷惑をかけて申し訳ございません。おでこはだいじょうぶですか?」
「うんっ! 大丈夫だよ~ 心配してくれてありがとうおねーさん!」
「ミーアはあれでもレベルが高いので無事じゃすまないかと思ったのですが…… 良かったです」
「こちらこそハルミが申し訳ないです。ほら! お前も謝れ!」
ギンが春眠の頭を押さえて無理矢理謝らせる。
「いえいえ。うちのミーアがどう見ても悪かったので謝らなくて大丈夫ですよ」
「……マイア」
「ん? どうしたのクリスタ?」
金髪美女のスカートをクイクイと引くもう一人の女の子がいた。名前はクリスタというらしい、水色の髪のミーアの身長よりさらに小さい子だった。ただクリスタの髪と瞳の色は、春眠と同じ黒色をしていた。
「……いっしょする」
「そうね…… これも何かの縁です。私達もこれからお昼にしようと思っていたんですが、ご一緒にどうですか?」
「うんっ! みんなでたべよぉ」
「そうですね。よろしくお願いします」
このひょんな出会いがまさかギンの願った出会いだった。なにも知らないギンは、金髪美女とお昼を一緒にできてラッキーとぐらいにしか思っていなかった。
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グラフがすごいことになってるぅ
18時に投稿してからぎょーんって棒グラフが伸びましたっ