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お空でもお昼寝

ブクマ!!! マジ感謝です!!!


すごいっ 一気にこんなにポイントが上がるなんて、うれしすぐるw



空を飛びながら睡眠をとるという、空中睡眠をマスターした春眠(はるみ)は、現在爆睡中だ。異世界に転生してから春眠は、昼寝→飛ぶ→空中睡眠と、寝てしかいない。


にもかかわらずチートスキル【睡眠学習(スリープラーニング)】でステータスがうなぎ上りに上がりまくっていた。


というのも、空中睡眠しているのは、魔境の一つである【闇ノ大森林】の上空だからだ。【死ノ草原】の南に位置する青銅国領 第三都市ハイルンへの空路を直線で結ぶと通らざる負えない。【死ノ草原】と同じく、勇者ですら進行を危ぶむ魔境【闇ノ大森林】の上空はモンスターで溢れかえっていた。


ギャーギャーと鳥形のモンスターの群れに包囲されているが――


「すーすー」


とても健やかな寝息と——


『スキル【睡眠学習(スリープラーニング)】を発動します』



『【睡眠学習(スリープラーニング)】施行中の、ダメージは全て無効になります』



安眠妨害因子(スリープレス)を確認。排除のため、スキル【夢喰(ナイトメアイーター)】を発動します』



もはや死神の声が聞こえてくる。



寝ながら飛行する春眠から翼を持った蛇のような黒い何か(・・・・)が煙のように立ち上り、睡眠を妨害するモンスターを喰らっていた。


【闇ノ大森林】の怪鳥の群れが、現れて春眠を襲っては黒い何か(・・・・)に喰われて、また新しい怪鳥の群れが現れて……


まだ【闇ノ大森林】の上空を飛んでから一分と経たないうちに、100体ちかくの怪鳥が春眠の糧となっていった。


怪鳥の鳴き声と、【睡眠学習(スリープラーニング)】のアナウンス音が、交互に音色を奏でた。


『ハルミ・マクラは、デスコンドル、およびハーピーの群れを討伐しました』


『ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました 』


『ハルミ・マクラは、スキル【夢喰(ナイトメアイーター)】により、スキル【軍団指揮】【空域結界(エアゾーン)】【高速飛行】【翼撃】【奇声】【風属性魔獣魔法】の簒奪に成功しました』


問答無用で睡眠飛行をしばらく続けると、怪鳥の群れの攻撃がピタリと止まった。急にある方向を一斉に見たのちに、奇声をあげて逃げていった。


怪鳥たちは、春眠を恐れたのではない。怪鳥たちが見たある方向は、太陽を覆い隠すような巨体の影があった。影は下にある森林を闇に包む。そして心臓が止まるかのような奇怪な鳴き声を【闇ノ大森林】を木霊した。








◇魔境【闇ノ大森林】 『バハムート』


バハムートは異世界最大の淡水魚のモンスターである。常に成長し続けるその巨体は、鱗で光合成をもこなし、光を吸収する。外敵のいない空を我が物顔で旋回しては、大きな影を作り下界に光を届かせない。光を吸収して、光を遮る、故にバハムートの下には必ず闇が出来上がる。一切の光の無い世界を作り上げたしまう。


【闇ノ大森林】この魔境の由来は、バハムートが作り出す闇である。大森林の木々は、バハムートの闇に飲まれると、日光に代わるエネルギーを求めて活性化し、動物、モンスター、人間、生きとし生けるものを養分として吸い尽くしてしまう。


そして、【闇ノ大森林】に響き渡る奇怪な旋律、心臓が止まる様な恐怖の声の正体は、バハムートが作り出した闇で活性化する森の木々が、モンスターを襲い吸収する。そのときのモンスターたちの悲鳴である。


闇に飲まれたくない【闇ノ大森林】のモンスターたちは、その悲鳴を聞くと血相を変えて逃げ出すのだ。それがどんなに強いモンスターであっても。


下界の事などわれ関せずで、自由に巨体で飛び回っているバハムートこそが、【闇ノ大森林】の主である『グランカッソ』だ。グランカッソという名は、過去の勇者によって名づけられた。


数千年前は、グランカッソは勇者に飼われていたに過ぎない只の金魚だった。あるきっかけで、グランカッソはバハムートへと進化した。グランカッソは勇者の僕だった。


勇者が死んでからは、グランカッソは人に危害を加えない様に、モンスターしかいない地の上空を移動し続けた。そうして、行きついたのがこの大森林だった。


大森林の北にいる異形のキマイラである『グルー』の抑止力として、この大森林にのさばり、大森林より南にある人の住む街を守ってきたのだ。







この日、グランカッソはいつものように空を旋回していた。すると、【死ノ草原】にいる筈のグルーの気配が忽然と途絶えた。グランカッソはすぐさま【死ノ草原】へと進路を変えた。


そして、しばらく進むと【闇ノ大森林】に生息してる怪鳥たちの群れが、何かを囲んでいるのを発見する。グルーの気配が消えた原因がこちらに迫ってきていると、警戒心をあげてグランカッソは進んで行った。


(獣人? しかも寝ている? いったいどういうことだ……)


怪鳥がグランカッソを恐れて逃げ去った後に残っていたのは、小さな獣人だった。だが獣人は寝ながら飛行していたのだ。現状に驚いたグランカッソは、スキル【テレパシー】をつかって獣人へと呼びかける。


(止まりなさい。いったい何者ですか?)


『魔法攻撃無効壁を発動しました。精神浸食を無効にします』


(この聞き覚えのある声は! もしや!)


グランカッソはかつて使えていた勇者も、何かを習得するたびにこの声が聞こえていていたことを思い出した。数千年前の勇者とともに戦った楽しかった記憶がよみがえる。


しかし――


安眠妨害因子(スリープレス)を確認。排除のため、スキル【夢喰(ナイトメアイーター)】を発動します』


無情にもグランカッソの思い出を振り返るのは、この時が最後だった。


黒い何か(・・・・)が獣人から立ち上り、グランカッソの巨体をもろともせず包み込んだ。何が起こったのかも理解できないほんの刹那に、グランカッソは黒い何か(・・・・)と共に霧散した。



安眠妨害因子(スリープレス)の排除完了 スキル【夢喰(ナイトメアイーター)】を停止します』


『ハルミ・マクラは、闇ノ大森林ノ主を討伐しました』


『ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました ハルミ・マクラはレベルアップしました 』


『ハルミ・マクラは、称号【闇ノ大森林の覇者】【無情ノ王】【夢想無双(ドリーマー)】を得ました。ステータスに補正が付きます』


『ハルミ・マクラは、スキル【夢喰(ナイトメアイーター)】により、スキル【索敵】【テレパシー】【陸海空域結界(オールゾーン)】【光合成】【自己再生】【自己回復】【魔力回復】【限界突破】【超硬化】【光属性魔獣魔法】【水属性魔獣魔法】の簒奪に成功しました』






【闇ノ大森林】から闇が消え去った瞬間だった。


初日は一気に三話分いきましたっ


明日からは、毎日一話づつです。

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