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四月馬鹿、食べる人、ロリっ子

葉月に連れられて建物の中に入る。

まず最初に驚いたのはエントランスホールの広さだ。


なにこれ、まるで高級ホテルみたいなんだけど……

これ本当に月二万円で大丈夫なのかな。

一日二万円の間違いじゃない?

それともやっぱりいかがわしいサービスをしないといけないとか……。


私の不安などお構いなく葉月はどんどん進んでいく。

そして大きな扉の前に着くと、その中へ入っていく。中はテーブルが複数あり、奥には本格的な厨房が見えた。



「ここはフードコート、朝晩の食事はここでとるのよ」



「フードコート!?」



ここは本当にアパートなのでしょうか。



「大丈夫よ、このフードコートは無料で利用できるから」



一体なにが大丈夫なんだい葉月?

私はもう怖くなってきたよ。



「本当に無料なの?サービス料とか有料会員じゃないと利用できないとかじゃないの?」



「安心して、ゆりのささやきの住人なら無料なのよ」



「それってすごいね。つまり昼食を抜けば食費が浮くってことだよ!」



「あら、そんなことをしなくても私と一緒に昼食をとればタダですよ?」



憐れみだ!

これはお嬢様の葉月が貧乏人の私に対する憐れみだよ!

それに私は友達にたかるのは良くないと思うの。



「本当に!是非一緒に食べよう!約束だよ!」



卯月は葉月の手をがっちりと握る。



「へゃっ、え、えぇ……約束ね」

(手を急に……恥ずかしい)



でも私、節約をしない人はもっと良くないと思うの。

節約、倹約、いい言葉だよね!



葉月との昼食の確約をとっていると、入口の扉が開かれた。



「あれ、葉月じゃん」



現れたのは、小学生くらいの女の子だった。



「弥生さん、こんにちは」



「こんにちは、それでその手を握っている女の子はどうしたの?食べるの?」



この弥生って人、可愛い顔してなに言ってんの。

食べるってなに?アレなの?ソッチ系の人なの?




「たたたたたたべりゅってそんにゃわけにゃん」



なんで葉月はそんなに動揺してるの。

あと噛み方がすごい。



「動揺しすぎだって、それでその女の子は?」



女の子って、年上の人を女の子って呼ばないよね普通。



「私は白井卯月。今日からこのゆりのささやきでお世話になるの。よろしくね、弥生ちゃん」




葉(え?いきなりタメ口?しかも弥生ちゃんって。私の時は敬語にさん付けだったのに………)




「え!?そんな馬鹿な!?」



弥生ちゃんの驚き方が尋常じゃないんだけど。

それになんで自己紹介しただけで馬鹿呼ばわりされないといけないの。

私馬鹿じゃないんだけど。



「葉月、これはどうゆうこと。なんで白井卯月がこんなに早くここへ来てるの?」



えぇー。

流石にそんな反応されると、いくら小学生相手でも傷つくんだけど。



「どうって言われても、私はただカフェテラスにいた卯月さんを案内しているだけなんだけれど」



「なんでカフェテラスに入ってこられるの?もしかして、外の看板はダミーとすり替えなかったの?」



え?ダミーってどういうこと?



「昨日の夜にちゃんとすり替えましたよ」



「ならどうして……白井卯月、外の看板はゆりのささやきだった?」



「違ったけど」



「くそっ、失敗したか……田舎者だと思って甘く見ていた」



い、田舎者って失礼だよ!

間違ってないけどさ。



「なんで既に嫌われてるの、私」



「卯月さんのことは好きよ!」



あ、葉月うるさい。



「だって、百合恵さんの話しだと、白井卯月は自分のことを美少女って自信満々に言う奴だって聞いたから…」



「ぶっふぉ」



なんでぇー。

なんでその黒歴史が広まってるの。

しかも脚色されてるし。



「卯月さん大丈夫!?」



葉月が私を掴み、ぐらんぐらんと揺らす。



「だ、大丈夫だから。それとその百合恵さんの情報間違ってるから」



「そんなことはないはずだ、百合恵さんが言ってたんだ、白井卯月は自分のことを美少女って言ってたって。そんな奴、性格悪いに決まってるから困らせてやろうって思って看板すり替えたのに」



なにその偏見。

たしかに美少女とは言ったけども。




「それは誤解なんだよ。百合恵さんが美少女かどうか聞いてきて、美少女じゃなければ入居は難しいって言うから仕方なく言っただけで、自分のことを美少女なんて言ったのはそれが初めてなんだよ」



とりあえず弁明をする。

信じてくれるかどうかはわからないけど。



「なーんだ、そうだったんだー」



よかった。

信じてくれたみたい。



「なーんてね、大成功!」



へ?



「今日は何日?」



「四月一日………あっ!エイプリルフール!」



「正解。というわけで嘘でしたー、まあ本命の看板は無駄だったみたいだけど」




いや、無駄じゃなかったよ。

がっつり迷ったから。



「あらぁ、楽しそうねぇ」



「百合恵さん、こんにちは」



「こんにちはぁ」



この人が百合恵さんか。

なんか、想像以上に若い。

そして巨乳。



「あなたが卯月さんねぇ」



「はい!よろしくおねがいします」



「よろしくねぇ。それにしても可愛いわねぇ」



「そ、そんなことないです」



「あらあらぁ、まぁ、本当に美少女じゃなかったら即立ち去ってもらおうと思っていたから安心したわぁ」



「う、嘘ですよね?」



「嘘よぉ」



「あはは、ですよねー」



目がマジだったんだけど。

本当に嘘だよね?




「そうだぁ。卯月さんの歓迎会をやるから夜、忘れずにここに来てくださいねぇ」




「歓迎会なんて、わざわざありがとうございます」




「いいのよぉ、美少女なんだからぁ」




「あはは」




なにその理由。

本当にさっきのことは嘘なんだよね?



「そうだ。私の自己紹介がまだだったな。私は宮野弥生。よく小学生に間違われるけど十五歳なんだ」




なん…だと…!?

どう見ても小学生でしょう。

胸とか身長とか胸とか。





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