身体測定とバストアップ
数日後に身体測定が実施される。
クラスではダイエットだの前日は食事をとらないだのと盛り上がっているが、私はそれどころではない。
未だに成長期は訪れず、胸はおろか、身長も同学年に比べてかなり低い。
身体測定の前日だってむしろ普段よりも食事の量を増やすくらいだ。
何故だ、何故、私の胸は膨らまないのだ...。
「弥生さん?そんな思い詰めた顔をしてどうしました?」
私とは対照的に、大きく育ったおっぱいオバケが話しかけてきた。
「身体測定があるだろう。それが憂鬱で」
「確かに、私も憂鬱です。体重が身長に対して少し重いのが恥ずかしいというか」
「...ほう」
「あ、でも弥生さんならそんな心配いりませんよね?小さいし」
コイツ、人の気にしてる所を的確に...。
「ほほーう、お二人さんも身体測定の話ですか」
「いや、桜の体重を増やす話を」
「逆ですから!逆!」
「桜は体重を気にしてるのかぁ。いるよね、太ってもないのに体重気にする人」
「う...」
「そういえば昔って、胸囲も測ったらしいね。もし今も測ってたら桜は無駄にボインだから絶対みんなにサイズとか聞かれるよね」
「無駄...!?確かに、運動もしなくなりましたし。谷間の汗疹も気を付けなければいけませんし。足元が胸で隠れてしまいますし。下着も上下セットの可愛いモノが買えませんし...」
「よし、食べ放題行こうか」
「卯月さんまで!?」
「まあそれはそれとして、桜は胸を大きくする方法とか知らないの?」
「遺伝じゃないかと」
「桜、真面目に答えないで」
「えええ!?そんな、弥生さんが真剣に悩んでいると思ったので本当の事を教えてあげた方が良いのかと」
「ということで、やっぱり定番はアレだよね、胸を揉むと大きくなるっていうやつ」
「やっぱり桜って胸揉まれてたの?」
「まあ揉まれますけど、それは大きいから揉まれるのであって揉まれたから大きくなったというわけではないと思うのですが」
「よし、とりあえず桜の胸揉んでおこう」
「うん」
卯月が桜の背後に立ち、桜の腕の隙間に腕を差し込み下からも桜の乳房を持ち上げるように揉み始める。
「やめ...やめてっ......ん...ぁぁ...」
「弥生ちゃんも前からガバッといっちゃって」
「お、おう!」
弥生は桜と対面するように立ち、おずおずと桜の胸を揉み始める。
「弥生ちゃん、どんな感じ?胸大きくなりそう?」
「うーん...御利益はありそう」
揉み始めてから一分程経った頃。
「待って、弥生ちゃんの胸に刺激がいかないと意味無いんじゃ...」
卯月の当然のような言葉に揉んでいた手が止まる。
「ぁ...はぅー、終わりましたか?もう胸がジンジンとしてきたのでやめて欲しいのですが...」
「そうだ!御利益のありそうな桜の胸に弥生の胸を擦り付ければいいんだ!」
「それだ!」
卯月の思い付きを弥生は即実行した。
弥生は桜を前から自分の胸を押し付けるように抱き着いた。
そして更に刺激を加えるべく弥生は身体を小刻みに上下させた。
「ひゃぁん...胸の先が敏感になっているので、そんな小刻みに動かな...って、ぁぁんっ...」
「なにやってんの?あの二人は」
葵と南が近くに来た。
「胸を大きくする運動」
「大きくなるの?」
「さあ?でも面白いから見守ってるの」
「そ、そうか...」
葵はそのまま視線を南の胸部辺りに持っていった。
「南、胸大きくなりたい?」
「...は?私は...やんないからね......?」
「私は大きくなりたい!」
葵は言ったと同時に南に抱き着いた。
「!?」
「あはは、葵別に小さくないのに、欲張りさんだなぁ」
卯月はうんうんと頷きながら抱き合う四人の女子を眺める。
「んんん...私、余ってない?」
別に羨ましくもなんともないが、自分だけ仲間外れはなんか嫌だ。
「やめやめー!やめだってばー!離れなさーい!」
その後、桜は胸が大きくなったという。